2023年8月3日〜6日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第9戦ラリー・フィンランドが、同国中部のユバスキラを起点に開催され、トヨタのエルフィン・エバンスが優勝、2位にヒョンデのティエリー・ヌーヴィル、3位にはトヨタの勝田貴元が入った。王者カッレ・ロバンペラはまさかのリタイアに終わった。

成長見せた勝田が今季初表彰台、地元スニネンとの僅差の激闘制す

画像: テーム・スニネン(ヒョンデ)を制して、勝田貴元が3位に入賞。トヨタは1位、3位、5位を獲得して選手権をリード。

テーム・スニネン(ヒョンデ)を制して、勝田貴元が3位に入賞。トヨタは1位、3位、5位を獲得して選手権をリード。

拠点としているフィンランドで、勝田貴元が自身4回目、ヨーロッパラウンドでは初の表彰台を獲得した。

ラリージャパン以上に慣れ親しんだ高速グラベルステージを舞台にSS2でベストタイムを刻む最高のスタートを切った勝田は、そのままハイペースを維持して金曜日を3番手で終えると、土曜日からは地元のテーム・スニネン(ヒョンデ)と激しい表彰台争いを展開。SS12のスピンで一旦はポジションを奪われるも、抜きつ抜かれつの攻防をSS18のベストタイムで制して3番手に復帰してこの日を終えた。

6.4秒差で迎えた決着の日曜日。あえてスペアタイヤなしで勝負に出たスニネンに対し、勝田も譲ることなく3ステージをこなし、勝負の行方は全車ニュータイヤで臨む最終パワーステージに持ち越された。

スニネンはここでもスペアなしでの渾身のアタックで好タイムを出すも、勝田も粘って最後は4.3秒差。競り勝ったフィニッシュ後には、「ヨーロッパラウンドでの初めての表彰台がここになるとは予想していませんでした。チームみんなのおかげですし、特にキャリアの最初からサポートしてくれた(豊田)章男さんには感謝してもしきれない。今回、ここに来てくれたことは間違いなく力になりました」と恩人への謝辞を口にしていた。

次戦WRC第10戦アクロポリス・ラリーは、9月7日〜10日、ギリシャ中部のラミアを起点に開催される。2021年にWRCに復帰したアクロポリス・ラリーはは、1951年に初めて開催され、WRC初年度の1973年からシリーズの一戦に組み込まれた伝統的なグラベル(未舗装路)イベント。路面はここ2戦のスムースでフラットなグラベルから一変。大きな石が転がる山岳ステージはかなり路面が荒れているところも多く、気温もかなり高くなるため、クルマにもタイヤにも選手にも厳しい「ラフグラベル・ラリー」として知られている。(文:新村いつき)

2023年 WRC第9戦ラリー・フィンランド 結果

1位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h33m11.3s
2位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー1)+39.1s
3位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m36.7s
4位:T.スニネン(ヒョンデ i20N ラリー1)+1m41.0s
5位:J.ラトラバ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+4m09.4s
6位:O.ソルベルグ(シュコダ ファビア RS ラリー2エボ)+9m33.6s
7位:S.パエリ(シュコダ ファビア RS ラリー2エボ)+10m03.7s
8位:A.フルモー(フォード フィエスタ ラリー2)+10m37.5s
9位:N.グライジン(シュコダ ファビア RS ラリー2エボ))+11m11.5s
10位:A.ミケルセン(シュコダ ファビア RS ラリー2エボ)+11m35.2s

2023年 WRCドライバーズランキング(第9終了時暫定)

1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 170
2位 E.エバンス(トヨタ)145
3位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ))134
4位 O.タナック(Mスポーツ フォード)104
5位 S.オジェ(トヨタ)98
6位 E.ラッピ(ヒョンデ)87
7位 勝田貴元(トヨタ)57

2023年WRCマニュファクチャラーズランキング(第9戦終了時暫定)

1位 トヨタ 378
2位 ヒョンデ 311
3位 Mスポーツ フォード 205

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