首位ロバンペラ脱落の大波乱、エバンスがトヨタの牙城守る
シーズン後半戦の初戦となるフィンランドは、本格的競技開始となる金曜日から荒れた。
まず、前日夕刻のオープニングSSでベストを刻んでいたM-スポーツ・フォードのオィット・タナックがSS3でエンジントラブルに見舞われてストップ。同じステージではチームメイトのピエール-ルイ・ルーベもコースアウトして脱落する。
さらにSS5ではヒョンデのエサペッカ・ラッピもクラッシュしてリタイアとなり、ラリー序盤でワークス3台が消える波乱の出だしとなった。
そんな中、主導権を奪ったのは王者カッレ・ロバンペラ。この日のコンディションが雨混じりとなって懸念された先頭スタートのハンデもほとんどなく、SS3からSS7まで5連続ベストをマークしてそのまま独走体制に入るかと思われた。しかし、続くSS8の11.1km地点、高速の右コーナーでスライドしたロバンペラのGRヤリスは、立て直すことができずに路肩にはまって転倒。まさかのリタイアとなってしまう。
ロバンペラが消えたことで勢いを増したのが、午前中はペースの上がらなかったヒョンデのヌーヴィル。SS8からSS10まで3連続ベストをマークし、ロバンペラに代わって首位に立っていたエバンスに6.9秒差に迫る。
だが翌土曜日、今度はエバンスが奮起した。SS11で今回初めてのベストタイムを刻むと、そのままSS17まで7連続ベストをマークする圧巻の走りで、ヌーヴィルとの差を一気に30秒以上に開いて勝負を決定づけた。
日曜日も最終パワーステージを含む3SSでベストをマークし、フルポイントの30点を獲得したエバンスは、「すごくいい週末だった。素晴らしいクルマでいい走りができたと思う。チームのホームだからたくさん応援してもらったし、選手権でのポイント差を詰められて嬉しい」と破顔一笑。これでドライバーズ選手権は今回無得点のロバンペラが170点、エバンス145点、ヌーヴィル134点という情勢となった。