3トン近い車重を感じさせない力強い加速
高品位でラグジュアリー、高い快適性を備えたメルセデスSクラスのBEV版EQS、それをSUVに仕立てたモデルがEQS SUVだ。BEV専用のプラットフォームを初採用したSUVモデルでもある。
滑らかなラインで描かれたフロント部にはスリーポインテッドスターが散りばめられたブラックパネルが装備される。
ボディサイズはEQSセダン比で全長が-95mmの5130mm、全幅が+110mmの2035mm、全高は+205mmの1725mmとなっている。最低地上高は175mmと高いが、ランニングボードを備えるため乗り降りはしやすい。
ヘッドクリアランスはセダン比で5cm増
インテリアは、まず目に入ってくるのはダッシュボードに広がる大型のMBUXハイパースクリーン(試乗車の450 4マティックではオプション)。3つのディスプレイを1枚のガラスで覆い、幅1410mmものワイドなスクリーンとしている。
高い車高のため視界も良い。ヘッドクリアランスはセダン比で5cm増し、より広い室内空間となっている。2列目シートは130mmの前後スライドにリクライニング機能も備え、ゆったりとしたスペースを確保、視覚的にも開放感がある。また、 3列目シートを標準で備え、実用性も高い。
走り出しはBEVらしく静かで滑らか。高速の合流でもアクセルペダルに素直に反応し、3トン近い車重を感じさせない力強い加速を見せる。
回生ブレーキはパドルシフトで3段階の調整が可能。Dオートモードによるインテリジェント回生も設定ができ、Dオートでは車間距離があるとコースティング状態に近くなり、先行車との距離が近くなると回生ブレーキが自動的に介入する。
またリアアクスルステアリングにより最小回転半径5.1mを実現。交差点でのUターン時でも3210mmのホイールベースとは思えない取り回しの良さを実感した。
豪華な内装に高い静粛性、快適な乗り心地、さらに実用性のある3列シートを備えた、メルセデスEQの最高峰にふさわしいSUVである。(文:Motor Magazine編集部 根本貴正/写真:井上雅行)
メルセデス EQ EQS 450 4マティック SUV主要諸元
●全長×全幅×全高:5130×2035×1725mm
●ホイールベース:3210mm
●車両重量:2880kg
●モーター:交流同期電動機×2(フロント+リア)
●システム最高出力:265kW(360ps)
●システム最大トルク:800Nm
●総電圧:396V
●一充電走行距離:593km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:265/50R20
●車両価格(税込):1542万円