2023年8月20日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催され、野尻智紀(TEAM MUGEN)が今季2勝目を挙げた。平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が2位、3位には大湯都史樹(TGM Grand Prix)が入った。

野尻が今季2勝目!ランキングトップ宮田に10ポイント差にまで接近

スタート直後に赤旗中断があったが、レースは予定していた37周を完遂。トップの野尻は2位以下に大差をつけてトップチェッカーを受け、今季2勝目を挙げた。2位には大湯を交わした平川、3位の大湯は今季初表彰台を獲得した。

ランキングトップの宮田は4位、ランキング2位のローソンはノーポイントに終わり、野尻は一気にチャンピオン争いに加わることとなった。宮田とは10ポイント差、ローソンにはわずか2ポイント差にまで接近し、最終戦鈴鹿のダブルヘッダーでの逆転を狙う。

画像: 荒れた展開も1人盤石の走りで優勝を果たした野尻。これでチャンピオン奪還が十分可能な位置につけた。

荒れた展開も1人盤石の走りで優勝を果たした野尻。これでチャンピオン奪還が十分可能な位置につけた。

野尻が逆転チャンピオンに望みを繋げたレースとなった第7戦。TEAM MUGENの同士討ちになりかねないバトルもあり、緊張感が高まってきた今シーズンも残りわずか2戦(鈴鹿でのダブルヘッダー)となった。

野尻からしてみれば、後がなく勝つしかない状況。ローソンとのバトルを引くわけにはいかない。ローソンにとっても今大会の野尻の好調さを知っているだけに、チャンスはスタート直後の1~2コーナーしかなかったのかもしれない。両者の思惑がぶつかり合ったスタートは、結果的に野尻に味方した。20ポイント以上差をつけられていた状況から、一気に差を詰め10ポイント差とした。

一方、ランキングトップの宮田も不得意なサーキットでしっかりと上位でフィニッシュしランキング首位の座を守った。レースの展開により後方からの追い上げを強いられながらも、レースペースの良さとタイヤ交換を遅らせるストラテジーにより4位まで挽回。今回は野尻のインパクトに隠れてしまったが、宮田にとってこれ以上ない結果となったことだろう。

鈴鹿、第8戦と第9戦は10月の鈴鹿で行われる。計算上はランキング4位の平川とランキング5位の坪井にもチャンスが残っているが、チャンピオン争いは実質的に宮田、ローソン、野尻の3名に絞られた。

圧倒的なチーム力とマシンのポテンシャルを誇るが、2名のタイトルコンテンダーを抱えるTEAM MUGEN。一方、初優勝から勢いに乗り、着実にポイントを重ねランキング首位に立っている孤軍奮闘の宮田。近年見られなかった三つ巴のチャンピオン争いはどのような決着となるのだろうか。10月の末の鈴鹿最終決戦が待ちきれない。(文:河村大志/写真提供:日本レースプロモーション)

2023年 スーパーフォーミュラ第7戦 決勝リザルト

画像: 2位に入った平川はランキング4位に浮上。大湯は今季初の表彰台を獲得している。

2位に入った平川はランキング4位に浮上。大湯は今季初の表彰台を獲得している。

1. 野尻智紀(TEAM MUGEN)37周
2. 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
3. 大湯都史樹(TGM Grand Prix)
4. 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
5. 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
6. 小高一斗(KONDO RACING)
7. 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
8. 大嶋和也(docomo business ROOKIE)
9. 山下健太(KONDO RACING)
10. 国本雄資(Kids com Team KCMG)

2023年 スーパーフォーミュラ ドライバーズランキング(第7戦終了時点)

1. 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S) 94
2. リアム・ローソン(TEAM MUGEN) 86
3. 野尻智紀(TEAM MUGEN)  84
4. 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)  51
5. 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)  50
6. 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)37
7. 山下健太(KONDO RACING)   30
8. 大湯都史樹(TGM Grand Prix)22
9. 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING) 17
10. 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)16

2023年 スーパーフォーミュラ チームランキング(第7戦終了時点)

1. TEAM MUGEN 153
2. VANTELIN TEAM TOM’S 91
3. P.MU/CERUMO・INGING 59
4. ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 51
5. KONDO RACING 40
6. DOCOMO TEAM DANDELION RACING 39
7. TCS NAKAJIMA RACING 31
8. Team KCMG 20
9. docomo business ROOKIE 20
10. TGM Grand Prix 13
11. ThreeBond Racing 8

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