スポーティとエレガントを兼ね備えた新しいラグジュアリークーペCLE
ここ数年、EQシリーズやSUVの拡充に積極的なメルセデス・ベンツ。しかし、その戦略を維持しつつ、新しいスポーツモデルやエレガントなクーペのリリースにも取り組んでいる。
CLE（日本導入時期未定）。インテリアはCクラスやSクラスといったセダンに近いデザインだ。ただしシートやトリムの色遣いは鮮やかだ。
そんなメルセデス・ベンツの最新作が2023年7月に欧州で発表された。それがCLEだ。
CLEのボディサイズは、従来のCクラスクーペ以上Eクラスクーペ未満で、これらを統合したモデルであることが見てとれる。ちなみに従来型Cクラスクーペと寸法を比較すると、ホイールベースは2865mmで164mmも延長され、全幅は50mm拡幅、全高は23mm高くされている。これらにより車内空間は従来型Cクラスクーペよりも大幅に拡大されている。
また、デザイン面の美しさも大きな特徴だ。クーペではトランクリッド後端までなだらかに繋がった美しいルーフラインが目を引き、クラスクーペの後を受け継ぐにふさわしいエレガントさだ。
また、CLEにはソフトトップを備えたカブリオレも用意されるのだが、こちらもまたオープン、クローズを問わず優雅な佇まいに魅了されるはずだ。
搭載されるエンジンは、出力が異なる2機種の2L直4ガソリンターボ、3L直6ガソリンターボ、2L直4ディーゼルターボの4種類を用意。いずれもISGを備えたマイルドハイブリッドで、9速ATが組み合わされる。
ちなみにデリバリーの開始時期は、欧州では2023年11月の予定だが、日本導入に関する正式な発表はまだない。
新型CLEの発表に加えて新しいBEVスポーツを提案
電動車についても新たな方向性を示した注目のコンセプトモデルが発表された。それが「ビジョンワン-イレブン」だ。
ビジョン ワン-イレブン（発売予定なし）。1970年代に発表されたコンセプトモデル「C111」にインスパイアされたエクステリアを持つコンセプトスポーツカー。しかし、中身は電動駆動システムや自動運転といった最新テクノロジーが採り入れらているほか、今後のラグジュアリーカーの方向性を示唆するデザインのインテリアを採用。メルセデスベンツが思い描く新世代のスポーツカーを具現化した1台となっている。
エクステリアデザインは1970年代のコンセプトモデル「C111」をオマージュ。一方、インテリアはメルセデス・ベンツのスポーツカーとしては初となるラウンジコンセプトを採用した。
シートには4点式シートベルトが備わり、シートポジションはスポーツ走行に対応するレースモードやリラックスできるラウンジモードに合わせて自動調整される。後者は自動運転を視野に入れたものだ。
さらにYASA社と共同開発された新開発のモーター、水冷式の高性能バッテリーの搭載が想定されているという。
一方、日本市場の最新トピックとしては、メルセデスAMG A45S 4マティック＋とA35 4マティック、メルセデスAMG GT 4ドアクーペの改良が明らかにされている。既存モデルのブラッシュアップも絶えず行われているのだ。（文：Motor Magazine編集部 小泉優太／写真：メルセデス・ベンツ グループAG）
メルセデス・ベンツCLEクーペ（本国仕様）主要諸元
●全長×全幅×全高：4850×1860×1428mm
●ホイールベース：2865mm
●エンジン：直4DOHCターボ、直4DOHCディーゼルターボ、直6DOHCターボ
●総排気量：1999／2999cc＜ガソリンターボ＞、1993cc＜ディーゼルターボ＞
●最高出力：150kW（204ps）＜直4ガソリンターボ＞、190kW（225ps）＜直4ガソリンターボ4WD＞、280kW（381ps）＜直6ガソリンターボ＞、145kW（200ps）＜直4ディーゼルターボ＞
●最大トルク：320Nm（直4ガソリンターボ）、400Nm（直4ガソリンターボ4WD）、500Nm（直6ガソリンターボ）、320Nm（直4ディーゼルターボ）
●トランスミッション：9速AT
●駆動方式：FR／4WD
