1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ポルシェ カレラGTだ。

ポルシェ カレラGT(PORSCHE CARRERA GT:2003-2006)

画像: そのスタイリングは、1970年代のレーシングポルシェ、917をモチーフにしたといわれる。デタッチャブルトップも採用。

そのスタイリングは、1970年代のレーシングポルシェ、917をモチーフにしたといわれる。デタッチャブルトップも採用。

ポルシェが2000年のパリ モーターショーで発表したコンセプトカー「ポルシェ カレラGT」。その完成度の高さからして、市販化は間違いないないだろうと思われていたが、その車名のまま市販モデルが登場したのは、2003年のジュネーブ モーターショーだった。ポルシェのコードネームでは、タイプ980となる。

1970年代のレーシングポルシェ、917をモチーフにしたといわれるスタイリングは、コンセプトカーと大きく変わることはなく、ライト類などのデザインが少し変更された程度。いちばんの違いは、デタッチャブルトップを採用したことだろうか。キャビン、パワートレーンを搭載するためのリアサブフレーム、そしてボディパネルに至るまでカーボンファイバーが用いられていた。

コクピットの後ろにミッドシップ搭載されたエンジンは、68度のバンク角が与えられたV型10気筒DOHC。このエンジンはル・マン制覇のためにポルシェが開発していたものだったが、諸般の事情で日の目を見なかったユニットだ。開発当初の排気量は5.5Lだったが、カレラGTには5.7Lにスープアップされて搭載された。潤滑方式はドライサンプ。最高出力は612ps、最大トルクは590Nmを発生した。

このパワーユニットに組み合わされたトランスミッションは6速MTで、最高速は330km/hと公称された。リアエンドには速度感応式のウイングが備わり、車速が120km/h以上になると160mmライズアップしてダウンフォースを増し、高速時の安定性に寄与していた。

インテリアでは、左右のシートをセパレートする大きなセンターコンソールが特徴的だが、このインテリアデザインはのちのパナメーラや911などと共通性を感じさせる。そのハイパフォーマンスから想像されるほど室内はレーシーではなく、いかにもポルシェらしい、快適装備も備えたハイクオリティな高級スーパースポーツカーといったイメージだった。

だが、ハイパフォーマンスゆえに限界が高く、しかも限界域でのコントロールには相当のスキルが必要とされた。まさに乗り手を選ぶスーパー ポルシェのカレラGTは1500台限定生産の予定だったが、2006年5月までに1270台で生産を終了した。

画像: ブレーキにはセラミックディスクや6ポットキャリパーを採用し、超高速からの強大なストッピングパワーも与えられている。

ブレーキにはセラミックディスクや6ポットキャリパーを採用し、超高速からの強大なストッピングパワーも与えられている。

ポルシェ カレラGT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4631×1921×1166mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1380kg
●エンジン種類:68度V10 DOHC
●総排気量:5733cc
●最高出力:612ps/8000rpm
●最大トルク:590Nm/5750rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・92L
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前265/35ZR19、後335/30ZR20

画像: amzn.to
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