日本発のゲームから生まれた奇跡の実話を基にした映画「グランツーリスモ」。既に北米では大ヒットしている、この作品の見どころを映画評論家の永田よしのり氏に紹介してもらおう。

実際のサーキットで65台ものレーシングカーを使用して撮影

画像1: 実際のサーキットで65台ものレーシングカーを使用して撮影

レースシーンの撮影は、ドバイ・オートドローム(UAE)、ニュルブルクリンク(ドイツ)、レッドブルリンク(オーストリア)、そしてハンガロリンク(ハンガリー)など実際のサーキットを使用して行われた。そこでのドローンを使用した撮影の臨場感は圧巻の一言。音響効果とともに体感するには、やはり大スクリーンの映画館がふさわしい。

実際の撮影に使用された車両は65台。ざっと挙げると、ニッサン GT-Rニスモ GT3、フェラーリ 488GT3 エボ、ポルシェ 911 GT3R、レクサス RCF GT3、シボレー カマロGT3、マクラーレン 720S GT3、BMW M6 GT3、ランボルギーニ ウラカンGT3、・・・などなど。さらに、ル・マンのレースシーンでは、プロトタイプのリジェ JSシリーズのPX、P320、P2、そしてノルマ M30なども登場。

主人公となったヤン・マーデンボロー本人も共同プロデューサーを務めただけでなく、実際のレースシーンで自身の役のカースタントも務めた。そこにあるのはゲーム世界のバーチャルではなく、リアル。まさに仮想空間が現実になった瞬間だ。

ここ数年のコロナ禍で、現実世界では人との接触を意識的に減らされてきた。それゆえ、バーチャルなゲーム世界に癒しを求めた人も多かったのではないだろうか。そんなコロナ禍が終息してきて現実世界での人的交流も戻ってきた今、こうした映画が公開されることに何かしらのタイミングとメッセージを感じてしまう。

実際にレース場で聞こえるエキゾーストノート、マシンが駆け抜けて行く時のタイヤの焦げる匂い、観客の歓声などを知っている人間からすると「現場」の空気感を忘れることはない。本作品は、ぜひ「映画の現場」となる映画館で楽しんで欲しい。(文:映画評論家 永田よしのり)

画像2: 実際のサーキットで65台ものレーシングカーを使用して撮影

「グランツーリスモ」

●2023年9月15日公開/134分
●監督:ニール・ブロムカンプ
●出演:アーチー・マデクウィ、オーランド・ブルーム、デヴィッド・ハーバー、ほか
●配給:ソニー・ピクチャーズ

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