400RをベースにNISMOのレーシングテクノロジーを注入
現行V37型スカイライン(13代目)のデビューは2013年なのでライフサイクルで考えるとすでにモデル末期だろう。そんなスカイラインの有終の美を飾る特別仕様車が登場した。1000台限定の「スカイライン NISMO」と100台限定の「スカイラインNISMO Limited」である。今回はスカイランNISMOの試乗機会を得た。
このモデルは、400Rをベースに、歴代スカイラインが継承してきたGTの資質にNISMOならではのレーシングテクノロジーを融合させたと謳われている。具体的には、エンジンのチューニングにはGT500マシンのエンジニアが携わり、最高出力を405psから420ps、最大トルクは475 Nmから550Nmへ向上させている。
この出力&トルクアップに対応するためタイヤも専用開発品を装着、さらにリアタイヤ幅を20mm拡大した。また高剛性と軽量化を両立したNISMO専用エンケイ製19インチアルミホイールを採用、接地性、レスポンス、コーナリング性能を高め、足まわり強化策としてはサスペンションとスタビライザーも専用チューニングし、制動性能も高められた。
エクステリアでは、フロントフェンダーに付けられたGTの赤バッジが往年の“スカG”ファンにはたまらない。そのほかにもベースとは違い、ひと目でNISMOだとわかるアイテムがいくつか見られる。
インテリアもエクステリア同様にスポーティだ。
レッドセンターマーク付きNISMO専用本革ステアリングホイールや280km/hスケールメーター、専用チューニングされたRECARO製スポーツシートなど、「名ばかりのGTではない」スポーティなアイテムが数多く奢られている。
走りに粗さは感じられず、上質と表現できるもの。それでも 「SPORT」や 「SPORT+」 にドライブモードにするとスポーティな面が顔を出し、懐の深い走りが味わえる。価格は約788万円だが、これが純ICEを搭載した最後のスカイラインかもしれないと思うと、とても感慨深い。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:佐藤正巳)
ニッサン スカイライン NISMO主要諸元
●全長×全幅×全高:4835×1820×1440mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1760kg
●エンジン:V6DOHCツインターボ
●総排気量:2997cc
●最高出力:309kW(420ps)/6400rpm
●最大トルク:550Nm/2800-4400rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●タイヤサイズ:前245/40R19、後265/35R19
●車両価格(税込):788万0400円