現行モデル発表日:2022年1月14日
車両価格:539万8800円〜920万400円
速さだけでなくハンドリングも楽しめる良作
日本を代表する最新2ドア スポーツカーのフェアレディZ。ヒット作となった初代モデルを彷彿とさせる内外装のデザイン要素を巧みに取り入れつつ、現代風の解釈も入れ込むという、日産の高いデザイン力に感心させられる。
歴代モデルと同様に長さが強調されたフロントフード下に搭載されるのは、2基のターボチャージャーが与えられ、405psの最高出力と475Nmの最大トルクという歴代最強のスペックを誇る3L V型6気筒ユニット。駆動は後輪だが、エンジンこそ初代のストレート6(S20)から省燃費性能や環境規制への適合など現代の事情に合わ
せたスカイライン 400Rにも搭載されているV6ツインターボ(VR30DDTT)へと変わった。
だが、エンジンを縦置きしたFRレイアウトという点は初代から続くこのモデルならではのヘリテージ。スタイリングとともに歴代Zに筋の通ったクルマづくりのフィロソフィが流れ続けていることを印象づける、強い記号性のひとつとなっていることは間違いない。
よりスピード性能に特化したGT-Rを持つ日産にとって、GT-Rが「モビルスーツ」だとしたらフェアレディZは「ダンスパートナー」と開発担当者が語るこのモデルは、流麗で個性的なスタイリングとともにワインディングロードを右に左にとアップテンポで駆け抜けて行くシーンでの心地良さが印象に残る。
ターボ付きエンジンが生み出す強大なトルクを2輪で路面へと伝達するためウエット路面ではまた印象が大きく異なってしまうのかも知れないが、取材を行った日は好天で路面は完全なドライ。こうしたシチュエーションではトラクション能力にもさしたる不満はなく、FRレイアウトがもたらすバランス感覚の良さが好印象。人とクルマの一体感もなかなか高かった。
日産 フェアレディ Z バージョンST 主要諸元
●エンジン:3L V6 DOHC
●総排気量:2997cc
●最高出力:298kW(405ps)/6400rpm
●最大トルク:475Nm(48.4kgm)/1600-5600rpm
●駆動方式:FR
●サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンク
●タイヤサイズ:前255/40R19、後275/35R19
●車両価格:665万7200円