イタリア最大級のヒストリックカー・ショー「アウトモト・デポカ」が2023年10月26日から19日までボローニャで開催された。そこに唯一の日本ブランドとしてトヨタが参加。彼らが展開したのは、ずばりランドクルーザーだった。

話題の新型、ボローニャに降臨。受け継がれた強みは「当たり前」だった

イタリアでトヨタ車販売は好調である。ブランド別ではフィアット、フォルクスワーゲンに次ぐ3位だ。最多販売モデルはフランス工場製の「ヤリスクロス」で、2023年9月の国内登録において3581台を記録。6位「シトロエン C3」や7位「フォルクスワーゲン T-Roc」を抑えて5位にランクインしている。1-9月のセグメント別累計でもトヨタの躍進が目立つ。ヤリスクロスはBセグメントSUVで、チェコ製の欧州専用モデル「アイゴX」はAセグメントSUVクラスで首位に入っている(データ出典:UNRAE)。

画像: 今回トヨタは最新と歴史モデル4台をディスプレイした。

今回トヨタは最新と歴史モデル4台をディスプレイした。

そのトヨタの現地法人が2023年10月、ヒストリックカー・ショー「アウトモト・デポカAuto Moto d’Epoca」に出展した。同イベントは、過去39回にわたり北部パドヴァで開催されてきた。期間中の展示車両は近年5000台を超え、主催者は欧州最大の自動車およびパーツショーを自称している。第40回を迎えた2023年は、メッセ施設がより広く、かつ新しいボローニャでの初開催となった。

毎年ブランド出展もみられ、今回も欧州系ではステランティス(アルファ・ロメオ、フィアット、アバルト、ランチア)、メルセデス・ベンツそしてBMWが参加した。そうしたなか、トヨタは唯一日本ブランドとしての参加だった。スタッフによると約10年前に続いて2回目の出展だ。

今回トヨタが特集したのは、ランドクルーザー(イタリア語風発音では“ランドクルイゼル”)である。

歴史的モデルとして彼らが持ち込んだのは「BJ42」「FJ60」の2台。今回はいずれも他の欧州法人が所有している車両だった。いっぽう、イタリアに現地法人が設立されたのは1990年10月であるから、当時は両モデルともほぼすべてが以前に存在したインポーターによって販売されたことになる。

画像: FJ60型のランドクルーザー。

FJ60型のランドクルーザー。

それらと対比するかたちで展示されたのは、2023年8月に発表された最新の“250”シリーズ2台だ。参考までに西欧向けは2.8Lディーゼルターボ+ダイレクトシフト8速ATで、市街地や渋滞時での実用燃費向上に寄与する48Vシステム仕様も導入する。

イタリアでは2024年モデルイヤーとして発売され、近日予約が開始される。丸型ライトを装備したモデルは当初「ファースト・エディション」と名づけられている。限定台数は50台で、欧州における納車は、2024年中盤以降の予定だ。

画像: “250”ファースト・エディションのインテリア。ドアトリムにもFIRST EDITIONのエンボスが押されている。

“250”ファースト・エディションのインテリア。ドアトリムにもFIRST EDITIONのエンボスが押されている。

画像: “250”シリーズ・ファースト・エディション。

“250”シリーズ・ファースト・エディション。

なお、従来イタリアでは日本でいう「ランドクルーザー プラド」をランドクルーザーとして販売してきた。そのエグゼクティヴ仕様の価格は7万5450ユーロ(約1212万円)であったから、新型はそれよりも高価になるだろう。欧州ではランドローバー/レンジローバーの大半のモデルに相当する価格帯だ。

画像: トヨタ・モーター・イタリアのマッシモ・デ・パルマ(製品マーケティング担当:左)と、ジュゼッペ・ゴメス(製品広報アナリスト:右)両氏。

トヨタ・モーター・イタリアのマッシモ・デ・パルマ(製品マーケティング担当:左)と、ジュゼッペ・ゴメス(製品広報アナリスト:右)両氏。

そうしたなか、これまでランドクルーザーが欧州で信頼を獲得してきた理由を、イタリア法人のスタッフはこう説明してくれた。第一は「誰でも容易に運転できること」。第二は「どのような場所からも帰って来られること」という。すなわち、どんな路面状況でも入ってゆくのは多くのクルマで可能だが、無事に帰路を辿れるモデルはけっしてすべてではない、ということだ。そして第三に「アフターサービス」という。こうした至極当たり前の事柄を、国や地域を越えても地道に実践しているからこそ、ランドクルーザーは評価されているのだと確信した。

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