電気自動車で長い距離を走るのは不安。充電を繰り返さないと遠くまで行けないので不便、と思い込んでいる人は多いかもしれないが、それは事実とは異なる。それを実証する機会を「VOLKSWAGEN ID.4 Long Drive Experience」という試乗イベントで得た。東京ー仙台間の往復800km以上を、フォルクスワーゲンID.4で1泊2日の日程でロングドライブしてみた。

PCAの充電ネットワークを使えるのは大きなメリット

画像: 品川からフォルクスワーゲン仙台太白まで、数カ所立ち寄り約422km走った。ID.4なら無充電で走行可能だ。

品川からフォルクスワーゲン仙台太白まで、数カ所立ち寄り約422km走った。ID.4なら無充電で走行可能だ。

ただし充電インフラへの不満は残る。今回の往復も高速道路のSAの急速充電を取材したが、ほとんどの場所は屋根がない。雨が降っていれば当然、濡れる。重く汚れた充電ケーブルで手や服も汚れる。さらに昼間は操作パネルが反射や画面の劣化でよく見えない。スマホやクレジットカード決済もできないので、専用の充電カードが必要である。さらに駐車場所も1台分のみ用意されていることが多く、そして狭い。充電時間も30分に限られる。

そこでフォルクスワーゲンはこういった問題を解消すべくPCA(プレミアムチャージングアライアンス)に参加、充電インフラへの不満解消へ動いた。これはポルシェ/アウディ/フォルクスワーゲンディーラーを中心に全国270カ所以上の急速充電ネットワークを使用できるというもの。そんなPCA充電体験に90kWh急速充電を備えるフォルクスワーゲン仙台太白を訪れた。そこでご当地ジュースなどを味わっている間にID.4も充電、残量4%から30分で54%に復活した。このようにPCAの活用で、充電インフラへの不満も解消される。

このように不安も不満もないID.4とのロングドライブのおかげで、東京から仙台までの400km以上という距離が縮まったように感じられた。またエンジンの振動がなく、静粛性も高いため疲労が少ない。その証拠に、同乗したカメラマンは、夕食後に仙台の街中へ消えていった。よほど元気が有り余っていたようだ。
(写真:井上雅行)

フォルクスワーゲン ID.4 Pro

●全長×全幅×全高:4585×1850×1640×mm
●ホイールベース:2770mm
●車両重量:2140kg
●モーター:交流同期電動機×1基
●最高出力:150kW(204ps)/4621-8000rpm
●最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0-4621rpm
●トランスミッション:1段固定式
●駆動方式:RWD
●バッテリー種類・総電力量:リチウムイオン電池・77.0kWh
●一充電走行距離(WLTCモード):618km
●タイヤサイズ:前235/50R20、後255/45R20
●車両価格(税込):648万8000円

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