現行モデル発表日:2022年5月24日
車両価格:922万円
正確なハンドリングと機敏な身のこなしが信条
日本仕様のグレカーレに試乗するのは今回が2回目。最初にハンドルを握ったときは、足まわりの動き方がややぎこちなく感じられたものの、今回はよりスムーズにストロークするようになっており、低速域での乗り心地が改善されていた。
グレカーレはボディ剛性が圧倒的に高く、その走りからは強いソリッド感が伝わってくる。ステアリングフィールがより澄んでいて、路面からの微振動がシャットアウトされているように思えるのも高剛性ボディのおかげだろう。しかも、ハンドルを通じて感じられる接地感は良好である。
ワインディング路ではとにかくその正確なハンドリングが強く印象に残った。どんなコーナーに対しても自分が思い描いたとおりのラインで進入していけるし、微妙なハンドル操作に対しても常に的確に反応する。とくにコーナーに進入する体勢を素早く整えてくれるので、まるでスポーツカーのように軽快なリズムを保つことが容易。
ドイツ製ライバルのなかにも見事なコーナリングを示すSUVは存在する。けれども、彼らの本領が発揮されるのは高速コーナーでのスタビリティであって、日本の典型的なワインディング路では速度域が低すぎて、もどかしいと思うことがなきにしもあらず。グレカーレは、我々がよく体験するタイトなコーナーでも機敏な身のこなしで、リズミカルな走りが味わえるのである。
そんな魅力を堪能したあとで改めてグレカーレのデザインを見つめ直せば、クラシカルなスタイルのなかに毅然とした美しさが折り込まれていて、ふと引き込まれそうになる。(文:大谷達也)
マセラティ グレカーレ GT 主要諸元
全長:4845mm
全幅:195mm
全高:1670mm
ホイールベース:2901mm
車両重量:1870kg
エンジン:直4SOHCマルチエアターボ+電動コンプレッサー+モーター
総排気量:1995cc
最高出力:220kW(300ps)/5750rpm
最大トルク:450Nm /2000-4000rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
タイヤサイズ:前225/55R19
乗車定員:5名