この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第14回目は、日本初のディーゼル乗用車いすゞ ベレルの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

ヒルマンのノウハウを元にいすゞが独自開発

いすゞは昭和28(1953)年から同社のヒルマン・ミンクスのノックダウン生産を開始し、昭和32年には完全国産化を達成した。このノウハウを元に開発されたのが昭和37(1962)年4月に発売された「ベレル」だ。

画像: デビュー時には1.5Lと2.0Lのガソリンと乗用初の2.0Lのディーゼルをラインアップ。半年遅れて国産車初のツインキ ャブ(95ps)仕 様「スペシャルデラックス」が追加された。

デビュー時には1.5Lと2.0Lのガソリンと乗用初の2.0Lのディーゼルをラインアップ。半年遅れて国産車初のツインキ ャブ(95ps)仕 様「スペシャルデラックス」が追加された。

搭載エンジンは1.5L(72ps)と2.0L(85ps)のガソリンに加え、日本初の乗用車用2.0ℓディーゼル(55ps)の設定が注目された。とくにベレル・ディーゼルは低燃費と燃料代の安さで、5ナンバーフルサイズの最大市場であるタクシー業界から歓迎された。

車両の基本構成は、ヒルマンを手本にした閉断面角型サイドメンバー付きモノコックボディのフロントに直4エンジンを搭載して後輪を駆動するFR。サスペンションも前:ダブルウイッシュボーン/後:リーフ・リジッドとコンベンショナルで、高速性能より耐久性・信頼性を重視した機構だった。

主力エンジンの2.0ℓガソリンもロングストロークタイプで、最大トルクを1800rpmという低回転で発生する。これに2~4速にシンクロを付けたコラムシフトの4速MTを組み合わせ、最高速度136km/h(カタログ値)と公表した。

画像: 細身のステアリングの正面に160km/hまで刻まれたスピードメーター。ダッシュボードは当時の国産車としては高級感のあるものだ。写真からは分かりづらいがアクセルはオルガン式。

細身のステアリングの正面に160km/hまで刻まれたスピードメーター。ダッシュボードは当時の国産車としては高級感のあるものだ。写真からは分かりづらいがアクセルはオルガン式。

操安性のためサスペンションを固め、振動や突き上げは分厚いシートクッションで吸収する手法をとっていたことは特筆に価する。ただし、もともと販売力が弱かったこともあって苦戦を強いられることになる。昭和40(1965)年には縦4灯式ヘッドランプの後期型にビッグマイナーチェンジを受けるが状況は好転せず、昭和42年に生産を終了。一代限りで姿を消すことになった。

いすゞ・ベレル 2000 デラックス(1962・PS10型)諸元

●全長×全幅×全高:4485×1690×1493mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1220kg
●エンジン型式・種類:GL201型・直4OHV
●排気量:1991cc
●最高出力:85ps/4600rpm
●最大トルク:15.3kgm/1800rpm
●トランスミッション:4速MT(コラムシフト)
●タイヤサイズ:7.00-13 4P
●新車価格:99万8000円

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