N-BOXの「ちょうど良い」イエローが高評価
「オートカラーアウォード」とは、優れたモビリティのカラーデザインを顕彰する制度だ。エクステリアだけでなく、モビリティのカラーデザインの企画力や、形との調和を含む、内外装すべてのカラーデザインの美しさを評価する。1998年から開催されており、2019年からは審査の対象を「車両」から「モビリティ」に変更している。
2023年は、カワサキ、スバル、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、ヤマハ、そしてヤンマーの9社から12テーマのノミネートがあった(複数台でひとつのノミネートの場合もある)。東京都江東区のプラザ平成で12月12日にプレゼンテーションが行われ、12・13日には実車を展示。そして審査の結果、13日に発表された栄えあるグランプリは、ホンダ N-BOXが受賞した。
テーマは「暮らしのリズムに調和する HAPPY Rhythm CMF(カラー/マテリアル/フィニッシュ)」。カラーは、エクステリアはオータムイエロー・パール、インテリアがグレージュ×グレー。授賞理由は、カスタマーの行動をよく観察し、機能性と楽しさをリズミカルに表現していたこと。エクステリアのイエローはクルマのカラーデザインでは難しい色相で、少しずれるとアウトドアイメージが強すぎたり汚く見えてしまったりするが、N-BOXはほっこり温かくなるような「ちょうど良い」イエローを実現したことなどが評価された。
また、特別賞はヤマハのオートバイ、YZF-R7が受賞した。テーマは「ファンと協奏するCMFG(カラー/マテリアル/フィニッシュ/グラフィック)」、カラーはヤマハファクトリーレーシングブルー。授賞理由は、カスタマーと深いコミュニケーションをとり、ファンの要望を引き出してより美しいCMFデザインを作り上げたこと。微妙に色相がずれた2色のブルーが太陽の光が加わることで調和しており、難しい2トーンを見事に成功させ、また走行時にグラデーションのように見え2色がうまく交わることなどが評価された。
その他のノミネート車に関しては、JAFCAのWebサイトを参照して欲しい。クルマやオートバイを選ぶとき、やはりカラーは重要なファクターとなるだろう。最近のクルマでは「くすみカラー」なども流行しているが、さて2024年はどんな色がトレンドになっていくのだろうか。(文:篠原政明/写真:日本流行色協会)