日本ではCクラスに設定されたばかりのAMGモデル「63 S E パフォーマンス」だが、ドイツ本国ではSUVボディのGLCにも展開され始めた。680ps/1020Nmを発生するモンスター級のハイパフォーマンスを得たミドルサイズSUVは、一体どんな妙味を持つのだろう。(モーターマガジン2024年2月号より)

いかにもAMGらしい乗り味を持つ

走り出してアクセルペダルをまず踏み込んでみたとき、約2.3トンもの重量にもかかわらずフットワークが軽いことに驚いた。さらに低回転域から過給する電動ターボのおかげでよどみなくトルクが沸き上がってくる。

画像: プラグインハイブリッドのためドライブモードにはEV走行を強制的に行うモードが選択でき、最大12kmの走行が可能。

プラグインハイブリッドのためドライブモードにはEV走行を強制的に行うモードが選択でき、最大12kmの走行が可能。

V8に劣らないダッシュパワーと同時にドライバーの耳には低いシンセティックサウンド(合成音)が響きわたり高揚感を高める。

また、ステアリング操作は正確で、センター付近でもナーバスではないゆえに高速道路ではどんなスピードでもリラックスして走れる。ただしステアフィールは全体的にやや人工的な感じがあった。

さらに山間部のワインディングロードを走った。ここで好印象に感じられたところは、改善された前後の重量配分によるハンドリング性の向上である。もちろんここには最大で2.5度の舵角を与えられた後輪ステアの効果もあるが、48Vのパワーによって作動する電子制御のロールスタビライザーの効果が高く自然で安定した姿勢でコーナーをトレースした。

コンパクトで実用性の高いSUVボディとモータースポーツから市販車へ移植された環境技術であるPHEVシステムの組み合わせは、いかにもAMGらしいソリューションだ。ちなみにドイツで発表された価格は12万1856ユーロ(約1924万円)である。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)

画像: エキゾーストパイプは4本出しだが、実際に機能するのは3本のみとなっておりバンパーでカムフラージュされている。

エキゾーストパイプは4本出しだが、実際に機能するのは3本のみとなっておりバンパーでカムフラージュされている。

■GLC 63 S Eパフォーマンス 主要諸元

●全長×全幅×全高:4749×1920×1635mm
●ホイールベース:2888mm
●トレッド 前/後:1645/1646mm
●車両重量:2310kg
●エンジン種類:直4DOHC電動排気ターボ+モーター
●総排気量:1991cc
●圧縮比:9.1
●最高出力:350kW(476ps)/6750rpm
●最大トルク:545Nm(55.6kgm)/5250-5500rpm
●モーター最高出力:150kW(204ps)
●モーター最大トルク:320Nm(32.6kgm)
●バッテリー容量:6.1kWh
●システム最高出力:500kW(680ps)
●システム最大トルク:1020Nm(104.0kgm)
●EV走行距離:12km
●0→96km/h加速:3.4sec
●最高速度:275km/h(リミッター作動)
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:9速AT
※EU準拠

This article is a sponsored article by
''.