2024年2月15日〜18日(現地時間)、WRC(世界ラリー選手権)第2戦ラリー・スウェーデンが北部の学園都市ウメオを起点に開催され、ヒョンデのエサペッカ・ラッピが優勝、2位にはトヨタのエルフィン・エバンス、3位にはMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーが入った。トヨタのロバンペラ、勝田貴元は痛恨のコースアウトで優勝争いから脱落した。

金曜日午前のステージを終え首位に立った勝田

例年以上の大雪のコンディションとなった今年のスウェーデンは、本格的な戦いのスタートとなった金曜日の朝から荒れ模様となった。

画像: ラッピと激しい首位争いを繰り広げた勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)。勝つためにハードにプッシュしなくてはならない中、コースオフを喫しデイリタイアとなった。

ラッピと激しい首位争いを繰り広げた勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)。勝つためにハードにプッシュしなくてはならない中、コースオフを喫しデイリタイアとなった。

開幕戦モンテカルロで表彰台だったディエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)とエバンスは、先頭&2番手スタートで雪かき役を強いられて、早々に優勝戦線から脱落。

有利なスタート順だった今季初参戦の王者カッレ・ロバンペラ(トヨタ)とモンテカルロでは不振だったオイット・タナック(ヒョンデ)はラリー序盤で首位争いを展開したが、SS4でともにコースオフを喫してデイリタイアとなってしまう。

金曜日午前のステージを終え首位に立っていたのは勝田貴元(トヨタ)だった。その後の午後のステージではこちらも今季初参戦でよりスタート順の有利なラッピに抜かれて2番手に落ちたものの、3番手以下のドライバーはすでに1分以上もの遅れをとっており、優勝争いは完全にふたりのマッチレースとなることが予想された。 

初優勝へ期待が膨らむなか、勝田は痛恨のコースアウト

注目の土曜日、オープニングのSS9で、スタート順の差がほどんどなくなった勝田はラッピを2.3秒上回り、ふたりの差はわずか0.9秒に。しかし、さらなる首位争いの激化、そして勝田の首位再浮上も期待された次のSS10でアクシデントは起きた。

画像: 勝田が脱落した後、慎重な走りにスイッチしたラッピが独走のまま優勝。ヒョンデは開幕2連勝と好スタートを切った。

勝田が脱落した後、慎重な走りにスイッチしたラッピが独走のまま優勝。ヒョンデは開幕2連勝と好スタートを切った。

前のステージよりさらにスピードを上げていたGRヤリスはスノーバンクに激突、そのままスタックしてしまったのだ。「コーナーへの進入スピードが高すぎたのだと思います。すごく残念です」という勝田はこれでデイリタイア。WRC初優勝に向けての大きな期待は、スノーバンクの罠に一瞬にして消え去った。

ラリーはその後、大差を活かして慎重な走りにスイッチしたラッピが独走のまま優勝。トヨタ在籍時の2017年フィンランド以来の2勝目を挙げた。

画像: 2017年のラリー・フィンランド以来、6年ぶりに自身2度目の総合優勝を飾ったエサペッカ・ラッピ。

2017年のラリー・フィンランド以来、6年ぶりに自身2度目の総合優勝を飾ったエサペッカ・ラッピ。

2位には、最終日にフルモーをかわしたエバンスが入り、ポイントランキング首位のヌーヴィルとの差を3点に縮めることに成功。マニュファクチャラー選手権では、開幕2連勝となったヒョンデがトヨタと同点首位に並ぶことになった。

デイ3でラリーに復帰したロバンペラは、最終日のSS16とパワーステージのSS18でベストタイムを記録。総合順位は39位ながら、スーパーサンデーでは首位エバンスと3.9秒差の2位に入り、チームは日曜日に獲得可能な最大ポイントである22ポイントを獲得した。

3月28~31日に行われる次戦第3戦サファリラリー・ケニアは、ラリー・スウェーデンとはコンディションが一変。グラベル(未舗装路)のステージは非常に高速で、軟らかい砂に覆われた道、岩や石が転がる荒れた道など変化に富み、雨が降ると路面は一気にぬかるみ非常に滑りやすくなる。(文:新村いつき)

This article is a sponsored article by
''.