「ホンダがV8エンジンを発売した」・・・・・・ホンダファン、エンジン好きには、見逃せないニュースである。ただし、これはクルマではない、船外機の話だ。それでもホンダ初のV8エンジンや新開発&専用開発に気分が高揚してしまう。それにしてもこのフラッグシップエンジンはどのようにして生まれたのだろうか。商品責任者に聞いてみた。(文:千葉知充/写真:井上雅行、Motor Magazine 2024年4月号より)

実際に使っているユーザーからフィードバック

──クルマの世界ではV8サウンドを楽しむことがあります。船外機はそうではないのですね。

伊藤氏  「上質な音は大切です。クルージング時に会話ができるのは最大の価値だと思います。4000rpmぐらいでクルージングしているときにいかに静かなのかが重要なのです。もちろん高回転で効いてくるVTECの音を楽しむこともできます。心地良い音、上質な音は聞き心地の悪い音を可能な限り低減させた結果です。」

──燃費、修理やメンテナンス性も向上しているようですね。

伊藤氏 「燃費面では、レギュラーガソンで350馬力を出せるのが大きいですね。また修理・整備しやすい形状にしています。オイルフィルターを斜めとして下に受け皿を設定。溜まったオイルがクランクケースに戻る構造とし、オイルフィルター交換時のオイルが海に落ちるのを防いでいます。

定期交換部品も交換(ヒューズや燃料フィルター類)をフロント側からアクセス可能としました。こうしたことは実際に使っているユーザーからフィードバックされ活かされた部分です」

──ありがとうございました。

■BF350 諸元表

●機関名称:BF350A
●色:アクアマリンシルバーメタリック/グ ランプリホワイト
●型式:BBYJ
●環境保全型機関合格証番号: R5海洋第0009号
●エンジン種類:水冷4ストローク60度 V 型8気筒立軸形 SOHC・VTEC・4バルブ(気筒あたり)
●総排 気量:4952cc
●ボア×ストローク:89.0×99.5mm
●連続最大 出力:257.4kW(350ps)/6000rpm
●推奨回転範囲:5000- 6000rpm
●潤滑方式:ウエットサンプ
●冷却方式:水冷(サーモスタッ ト付)
●点火方式:トランジスタ式バッテリー点火
●始動方式:セルフスターター
●充電性能:12V-70A
●排気方式:水中排気
●燃料 供給方式:PGMFI
●燃料:レギュラーガソリン
●全長:1120mm×全幅:650mm×全高:2145mm(XDN/XCDN)2272mm(UDN/ UCDN)
●トランサム高:638mm(XDN/XCDN)、765mm(UDN/ UCDN)
●乾燥重量(プロペラ装着時):355kg(XDN/XCDN)、 360kg(UDN/UCDN)
●プロペラ回転方向:右(XDN/UDN)、左(XCDN/UCDN)
●価格:BF350A XDN(3,905,000 円)、BF350A UDN(3,971,000円)、BF350A XCDN (3,927,000円)、BF350A UCDN(3,993,000円)

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