1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、フォード GTだ。

フォード GT(FORD GT:2017〜2022)

画像: 元祖のGT40ほどではないが、それでも全高は1110mmにおさえられ、現代のスーパースポーツカーの中でもかなり低い。

元祖のGT40ほどではないが、それでも全高は1110mmにおさえられ、現代のスーパースポーツカーの中でもかなり低い。

フォード GT40は1960年代のル・マン24時間レースなどで活躍したレーシングカー。市販モデルのロードカーも作られたが、高価で扱い難かった。そのため、数多くのレプリカが製造され人気を集めた。そこで20世紀末ごろからフォードはGT40の復刻を計画し、1995年には「GT90」というコンセプトカーを発表したが、市販には至らなかった。

2003年のデトロイト モーターショーでフォード社の創立100周年を記念してフォードGTが復活した。GT40を踏襲したスタイルで、558psを発生する5.4LのスーパーチャージドV8 DOHCをミッドシップ搭載していた。日本には正規輸入されなかったが、レースではスーパーGTなどに参戦していた。

2015年のデトロイトモーターショーで突然ワールドプレミアされたのが、3代目となるフォードGTだ。レプリカ風だった先代とは異なり、往年のGT40のスタイルを現代風にソフィスティケートさせたエクステリア デザインを採用している。しかも、レースに参戦することを前提に設計されているので、空力的にも洗練されている。

ロードカーの発表前、GT40の初優勝から50周年にあたる2016年のル・マン24時間レースに参戦し、総合優勝ではないもののLMーGTEクラスで往年の宿敵であるフェラーリを破って見事にクラス優勝を果たした。

ロードカーは2017年から販売が開始された。エンジンには環境性能を考慮して「エコブースト」と呼ばれるダウンサイジングターボを搭載している。エコと名は付くが、ミッドシップ搭載されるエンジンは3.5LのV型6気筒 DOHCにツインターボを装着。647psと746Nmを発生し、7速DCTを組み合わせる。シャシやボディ外板にはカーボンファイバーやアルミニウムを多用し、車重は1400kgを切るという軽さで、最高速は348km/h、0→96km/h(60mph)加速は3.0秒と公称されている。

2019年には700psにパワーアップされたサーキット専用車のGTマークIIも45台限定で発売された。21世紀のフォードGTも、ル・マン優勝の血筋を受け継ぐ「本物」だった。

画像: 走るために必要な機能だけを集約したシンプルなインパネ。華美な演出はないが、視認性や操作性は良さそう。

走るために必要な機能だけを集約したシンプルなインパネ。華美な演出はないが、視認性や操作性は良さそう。

フォード GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4763×2004×1110mm
●ホイールベース:2710mm
●車両重量:1385kg
●エンジン種類:60度V6 DOHCツインターボ
●総排気量:3497cc
●最高出力:647ps/6250rpm
●最大トルク:746Nm/5900rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・58L
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/35R20、後325/30R20

画像: amzn.to
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