【特集：LEXUSの挑戦と熟成、そして革新②】レクサス「UX」は大幅改良。充電性能を高めるとともに、電気の力をさらに有効活用

ハイブリッドもBEVも走りの質感が大幅に向上

　試乗は300hを中心に行ったが、250hと乗り比べてみるとその進化の幅はタウンスピード的な領域から体感することができる。

まずルーフインナーの減衰材見直しやダッシュパネル、ホイールハウスなどに遮音材を追加したという物量投入によって静粛性ははっきりと向上。モーター駆動が幅を利かせる低中速域ではその差が快適性に少なからずプラスに働いている。

イニシャルでは音質的に耳障りな唸りがある2Lユニットが静かに感じられるのも、改善を重ねて室内の音環境が整えられたことによる影響だろう。

走ってみて、明快に元気になっている感が伝わってくるのは、やはり4WDのほうだ。後輪の駆動による旋回感はアグレッシブに向きを変えるほどではないが、明確に旋回時の安定性に寄与していることが伝わってくる。これが雪上路では回頭性にも大きく効いてくることだろう。

一方のFFはすっきりした乗り味と軽快さとが巧くバランスしている感触だ。シャシについては補強による効果が、とくにリアサスペンションの追従性の高さによく現れているように感じられた。この点、大荷重によって粗が目立っていたBEVの３００ｅの改善幅がかなり大きい。

いずれにしても驚かされるのは走りの質感の進化の幅だ。価格的にも遠からぬものになったLBXを前にしながら、UXはしっかり自分の良さを伝えるべく手を尽くし、しっかりその鮮度が蘇った。この２モデルはどちらを選ぶかが相当悩ましいものになると思う。（文：渡辺敏史／写真：レクサスインターナショナル）

レクサス UX 300h Fスポーツ主要諸元

●全長：4495mm
●全幅：1840mm
●全高：1540mm
●ホイールベース：2640mm
●車両重量：1540kg
●エンジン型式：M20AｰFXS
●エンジン最高出力：112kW（152ps）／6000rpm
●エンジン最大トルク：188Nm（19.2kgm）／4400-5200rpm
●モーター型式：前＝1VM、後＝1WM
●モーター最高出力：前83kW（113ps）、後30kW（41ps）
●モーター最大トルク：前206Nm（21.0krm）、後84Nm（8.6kgm）
●システム最高出力：146kW（199ps）
●WLTCモード燃費：24.7km／L
●駆動方式：FF／4WD
●トランスミッション：CVT／無段変速機
●乗車定員：5名

レクサス UX 300e　パワースペック

●モーター最高出力：150kW（203ps）
●モーター最大トルク：300Nm（30.5kgm）
●電池容量：72.8kWh
●急速充電規格：CHAdeMO
●WLTCモード電費：141Wh／km
●WLTCモード航続距離：512km

レクサスUX改良型 試乗8

レクサス UXをマイナーチェンジ。全モデルをバッテリーEVとHEVを含む電動車にラインナップを集約 - Webモーターマガジン

2023年12月19日、レクサスはコンパクトSUVのUXをマイナーチェンジし、ハイブリッド車（HEV）の「UX300h」とバッテリーEV（BEV）の「UX300e」にラインナップを集約。UX300hは2024年1月上旬ごろ、UX300eは同年1月下旬ごろの発売を予定している。

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