公園内に作られる特殊な要素のつまった半公道サーキット
F1グランプリは、中東のバーレーン、サウジアラビアから、南半球のオーストラリアに移動。開幕2連戦の結果をふまえ、各チームは短いインターバルの間にマシンをアップデートし、オーストラリアGPが行われるアルバートパーク・サーキットに乗り込む。
開幕2戦ではマックス・フェルスタッペンが圧倒的な速さで連勝、セルジオ・ペレスも連続2位入賞で、レッドブルが2戦連続1-2フィニッシュと完璧なシーズンスタートを飾った。
一方、形勢逆転を期して新しいシーズンにのぞんだライバルチームは、むしろ広がってしまったかとも思われる差に落胆の色を隠せない。ストップ&ゴーのバーレーン・サヒールサーキットで完勝を許したのはともかくとして、超高速のサウジアラビア・ジェッダ市街地サーキットでも歯が立たなかったのは計算外だっただろう。
それでもオーストラリアGPが行われるアルバートパーク・サーキットは、これまで2戦のサーキットとはまた性格の異なるレイアウトだけに、攻略の可能性は残されている。
レースが行われるアルバートパーク・サーキットは、メルボルン郊外の公園(アルバートパーク)内の人工湖を周回する一般道と駐車場を使った半公道のコースで、F1グランプリ開催のために特別に作られる。
コースレイアウトは高速で進入する90度コーナーが多くあるストップ&ゴータイプで、バーレーン・サヒールサーキットとタイプは似ているが、埃や砂利で汚れた状態からセッションごとに急速に改善されていく路面や、公園の木々による影がもたらす路面温度変化、秋に向かう中でコース上に舞う落ち葉による滑りやすさなど、このコースならではの要素も多く見られる。
ランオフエリアが狭いためアクシデントが起こりやすく、セーフティーカーの出動回数が多いのも特徴で、決勝は波乱含みの展開になることが多い。
昨年のオーストラリアGPは赤旗が3度も出る大荒れの展開に
昨年2023年のオーストラリアGPは、赤旗が3度も出る波乱のレースとなったが、ポールポジションからのスタートとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が無事にシーズン2勝目を飾った。
フェルスタッペンはスタートで失敗し一時3番手に後退したが、7周目の赤旗でロスなくタイヤ交換すると、レースが再開後には圧倒的なスピードで首位を奪還。その後に築き上げたリードは2回目の赤旗によって帳消しとなったが、3回目となったスタンディングスタートは無難に決めて、危なげなく首位を守りきった。
メルセデスのルイス・ハミルトンがうまくタイヤをマネージメントして、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソを抑えて2位。予選のトラブルでピットレーンスタートとなったレッドブルのセルジオ・ペレスは、決勝では5位まで挽回するのがやっとだった。
【参考】2023年F1第3戦オーストラリアGP 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 58周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+0.179s
3位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+0.769s
4位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+3.082s
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT) +3.320s
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+3.701ss
7位 27 N.ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)+4.939s
8位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+5.382s
9位 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)+5.713s
10位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+6.052s
・・・・・・・・・・・・・
15位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)
・ファステストラップ: 11 S.ペレス(レッドブル)1:20.235
レッドブル、フェルスタッペンの連勝は続くのか、それともライバルが一矢を報いるのか。ライバルとしては、レッドブルの3戦連続1-2フィニッシュは阻止しなければならない。
2024年F1第3戦オーストラリアGPは、3月22日12時30分(日本時間10時30分)からのフリー走行1回目で開幕、予選は3月23日16時(日本時間14時)、決勝は4月2日15時(日本時間13時)に開始される。
2024年F1第3戦オーストラリアGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:3月22日12時30分〜13時30分(日本時間10時30分〜11時30分)
フリー走行2回目:3月22日16時〜17時(日本時間14時〜15時)
フリー走行3回目:3月23日12時30分〜13時30分(日本時間10時30分〜11時30分)
予選:3月23日16時〜17時(日本時間14時〜15時)
決勝(58周):3月24日15時〜(日本時間13時〜)