サバンナ特有の目の細かな砂状のグラベルは雨が降ると滑りやすい泥と化す
サファリ・ラリー・ケニアはWRCの中で最も過酷なラリーのひとつとして知られており、舞台となるステージは非常に特殊でタフだが、今年はさらにこれまでとは異なる要素も加わる。
それは過去3年間は乾季に当たる6月に開催されてきたが、今年は伝統的な開催時期である3月の下旬に移動したこと。3月のケニアは雨が多く、サバンナ特有の目の細かな砂状のグラベル(未舗装路)は雨が降ると滑りやすい泥と化し、より困難な路面コンディションでの戦いとなる。
また車両のレギュレーションが一部変更され、今年からラリー1車両に「シュノーケル」と呼ばれる吸気用のパイプを取り付けることが可能になった。シュノーケルは、クルマの高い位置に吸気口をバイパスさせることにより、深い水溜まりや砂に覆われた路面を通過する際に、エンジンが水や砂を吸い込みにくくする効果がある装備。かつてサファリ・ラリーでは多くのクルマがシュノーケルを装着して走行し、それが外観的な大きな特徴になっていた。このシュノーケルがラリーの結果にどのような影響を与えるかも興味深い。
ラリーは3月28日木曜日にナイロビの中心部でスタート。デイ1として午後2時過ぎからナイロビ近郊のカサラニで4.84kmのスーパーSSが1本行われる。
29日金曜日のデイ2はナイバシャ湖を中心に、反時計回りに「ロルディア」、「ジオサーマル」、「ケドング」という3本のステージを日中のミッドデイサービスを挟んで各2回走行。
30 日土曜日のデイ3はフラミンゴが飛来することでも知られるエルメンテイタ湖まで北上し「ソイサンブ」、「エレメンタイタ」、「スリーピングウォリアー」という3本のステージを日中のミッドデイサービスを挟んで各2回走行。全長36.08kmと今大会最長のステージも用意される。
最終日となる25日日曜日のデイ4は再びナイバシャ湖の周辺が舞台となり、反時計回りに「マレワ」、「オセレンゴニ」、「ヘルズゲート」の3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。SS16の再走となる最終のSS19「ヘルズゲート2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ラリーは4日間で19本のステージを走行し、その合計距離は367.76km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1267.57kmとなる。