各チームの戦略が入り乱れるエキサイティングな展開
予想以上に気温が上がった日曜日、決勝スタートでミディアムタイヤを選択したドライバーがフェルスタッペンをはじめ10名、ソフトタイヤを選択したのがアロンソはじめ10名と、タイヤ選択は真っ二つに分かれた。
グリッド上位陣の多くがミディアムタイヤを選択したのに対して、後方グループは序盤にソフトタイヤでジャンプアップを狙った。
ところが、オープニングラップの赤旗により、全ドライバー員がタイムロスなくコンパウンドを交換する機会を得ることになる。ここでメルセデスの2人はミディアムからハードへ、RBの角田とハースの周はミディアムからソフトへ、アルピーヌの2人とウイリアムズのサージェントはソフトからハードへと履き替えて、2度目のスタートに挑んだ。
レースは事実上2周短縮されて再スタートとなったが、各チームはピットストップとタイヤコンパウンドの選択、ライバルとの関係などの観点から戦略を練り直し、さまざまなレースパターンを模索することになる。
そして気温が高くなったにもかかわらず、3つのコンパウンドすべてが適切に機能していたこともあり、各チームの戦略が入り乱れるエキサイティングな展開となった。
アンダーカットは非常に効果があったが、早めにピットに入ったドライバーはスティントの終盤で不利な状況に陥り、それによりパフォーマンスの差が生まれ、オーバーテイクが容易となったこともレースをおもしろくしていった。
レースはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が圧倒的なパフォーマンスを披露して優勝を飾ったが、そんな中でも注目を集めたのはフェラーリのシャルル・ルクレールとRBの角田裕毅で、ルクレールは唯一、事実上の1ストップで8番手スタートから4位に入った。ピレリもこれには驚いているようで、「並外れたレース」と表現している。