アグレッシブな顔つきなのに、街乗りでも操りやすい
一般道を使った公道での試乗でも、そんな優しさは伝わってきます。
実はたまたま先日、知り合いが所有するオフロード4駆(ディーゼルターボ)で1時間ほど、都内を流したばかり。そこで履いていたのが別ブランドのオールテレーンタイヤでした。いちおうオンオフ問わず・・・という謳い文句の製品ながら、パターンはそうとうアグレッシブな代物で、乗る前から「これはそうとううるさいかも」と予感していました。
結果、予想通りに加減速のたびにオフロード寄りのタイヤで走っていることを思い知らされることになったのですが、A/T4はそういう意味での自己主張はほどよく控えめ。オフロード志向であることを強く意識させることのない、静粛性と快適性を実現しています。
とくにいわゆる「シティ派」のRAV4で走っていると、その快適さが際立ちます。
コーナリングでは、滑らかにハンドルを切っている限り非常に素直な追従性を感じさせます。少しこじるような操作にすると一瞬、向きを変えるまでにラグがあるようにも思えました。それでも普通の速度で普通に走っているぶんにはやはり、アグレッシブな顔つきのオールテレーンを履いていることを、意識させられることは少ないでしょう。
さすがに、本格オフローダーであるジープ ラングラーではRAV4のようなジェントル感はありませんが、こちらは加減速時のグリップの立ち上がりがとても自然なフィールが好印象でした。
前述した他メーカーのオールテレーンは。グリップの立ち上がりが加減速時ともに軽いラグを感じさせ、渋滞の中では微妙な加減速の調整が難しく思えました。A/T4はそのあたりの反応に遅れが少なめで、よりリニアなトラクションを生んでいます。おかげで、とくに重量級で強トルクがウリの4輪駆動車で丁寧な運転をしたい時には、余計なストレスをそうとう軽減してくれそうです。
アグレッシブなデザインに加えて、オンオフだけでなくドライ、ウエット、スノーと路面状況を問わない素直さは、さまざまなシーンで「自慢」したくなる才能と言えるでしょう。
もちろん「エイティフォー」というネームもカッコいいのですが、オフヨン仲間たちと語り合う時などはあえて「俺の愛車に履いてるジーゼロイチハチがさ」などと呼ぶのが似合いそう。見た目も中身も付き合うほどに愛着が湧いてくる、どこか「相棒」のようなタイヤと言えそうです。