「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 NV350キャラバンだ。

加速感は乗用ミニバン的。日常の使い勝手も高い

画像: 足まわりの部品の多くは先代と共通だが、新型はボディの特性やエンジンなどに合わせてチューンし直されている。

足まわりの部品の多くは先代と共通だが、新型はボディの特性やエンジンなどに合わせてチューンし直されている。

試乗は2Lのガソリン車。トルク感はフラットで、5速ATの変速もなめらか、スムーズに加速していく。とはいえ、ボディサイズと重さを考えるとパンチが足りないのも事実。市街地中心ならば十分だろうが、高速道路を走る機会が多いなら、追って投入される予定の2.5Lクリーンディーゼルを選んだ方が良いだろう。

走り続けていると、運転が楽であることに気づいた。操舵に対するクルマの動きが把握しやすく、狙ったラインを簡単にトレースできる。今まで、商用1ボックスはハンドルを切っても反応が鈍く、修正舵を入れながら走るものという印象を持っていた。

開発陣に聞けば、足まわりは先代を踏襲しているが徹底的なチューニングを施し、進化させたという。もちろんスポーツカーほどではないものの、荷物を載せる商用車としては操舵に対する応答性を格段に向上させたという。これならロングドライブでも、ドライバーの疲労はかなり軽減されることだろう。

画像: 試乗車のプレミアムGXのシート地には、起毛素材とスエード調の生地を組み合わせた2トーンカラーを採用していた。

試乗車のプレミアムGXのシート地には、起毛素材とスエード調の生地を組み合わせた2トーンカラーを採用していた。

試乗時には撮影も行い、写りの良い角度を求めてクルマをカメラマンの指示通りに動かす。撮影時はクルマから降りて、撮り終われば、次のカットに備えて乗り込む。これを繰り返すときに実感できたのが、スマートキーと足踏み式パーキングブレーキの恩恵だ。キー操作が省かれ、AT車はパーキングブレーキのレバーがなくなったため、乗り降りと停止/始動がスムーズに行える。

また、運転席に座ったとき、左腕の肘がセンターコンソール、右の肘がドア側のアームレストにちょうど合う高さになっている。これは疲労軽減に大きく貢献するもの。小さいことだが、日常の使い勝手では嬉しい工夫。大いに歓迎したいポイントだ。

新世代の商用車として大きな進化を遂げたNV350キャラバン。ライバルたるハイエースの牙城を切り崩せるのか? その可能性は、かなり高いと見た。

日産 NV350キャラバン プレミアムGX(ロングボディ 標準ルーフ) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4695×1695×1990mm
●ホイールベース:2555mm
●車両重量:1810kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1998cc
●最高出力:96kW(130ps)/5600rpm
●最大トルク:178Nm(18.1㎏m)/4400rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:レギュラー・65L
●JC08モード燃費:9.7km/L
●タイヤサイズ:195/80R15
●当時の車両価格(税込):262万800円

This article is a sponsored article by
''.