Gクラスの人気は衰えるどころか高まるばかり
メルセデス・ベンツ Gクラスは、ミリタリーモデルのゲレンデヴァーゲンをルーツに1979年にデビュー。以来40年以上、基本コンセプトを変えることなくアップデートを重ね、今もオーフローダーの頂点に君臨する「キング・オブ・オフローダー」と呼ばれている。
2018年6月に大幅改良されたが、ゲレンデヴァーゲンの時代から継承されているオフロード走行に適したラダーフレーム構造とながら、悪路走破性、耐久性、剛性、安全性、実用性を高めてきた。
そんなGクラスの人気は衰えるどころか、その骨太な基本設計への評価は高まるばかりで、2021年に過去最高の販売台数を記録した。しかし半導体不足の影響により、生産が追いつかず、日本だけでなく世界的に受注中止となり、それがまた「Gクラス人気」を沸騰させることにもなったのはご存知のとおり。
そんなGクラスには、かねてよりフェイスリフトを含むマイナーチェンジの噂があったが、それがついに発表されたということなる。
フェイスリフトで進化を表現。MHEVとともにEVも追加
新型Gクラスは今回の改良で、全車に48Vマイルドハイブリッドが搭載されるなど大きく進化している。だが、やはり注目はこの電気自動車版「G580 with EQテクノロジー」の追加だろう。
まず注目は、電気モーターを各輪に1基ずつ合計4基搭載されていること。それぞれのモーターの最高出力は108kW(147ps)、最大トルクは291Nmで、4基合計の最高出力は432kW(588ps)、最大トルクは1164Nmとなる。
そのパワーはトルク ベクタリング、バーチャルディファレンシャルロックを介して精密に制御され、Gターン、Gステアリング、オフロードクロールといった、さまざまな走行が可能となっている。
Gターンはその場で360度回転ができる機能、Gステアリングはリア側内輪を軸にクルマを旋回させる機能で、狭い場所でのUターンや折返しなどなどで威力を発揮する。
オフロードクロールは低速を維持しながら「這うように」走行する機能で、人が歩くような低速を保ちながら、アクセル操作により最大14km/hまで加速できる。
シャシは新型「Gクラス」のラダーフレームをそのまま使いながら、大容量116kWhのリチウムイオンバッテリーを完全にパッキングされた高剛性ケースに入れられてフレームの間に収められている。
さすがに車両重量は3085kgと軽くはないが、大容量116kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載することで、WLTPモードの航続距離は434-473kmを実現している。