2023年5月3日から5日にかけて行われるF1第6戦マイアミGPを前に、タイヤを供給するピレリが直前分析データを公開した。世界中を転戦するF1グランプリは、さまざまなコース条件、気象条件の下で行われる。それがレースを複雑し、おもしろくする要素となっているが、マイアミGPにもほかとは異なる独特の部分が多く見受けられる。それにどう対応するかが勝敗を分ける大きな要素となるとピレリは分析する。
サーキットでも公道市街地コースでもない特殊なコース設定
今年アメリカでは3つのF1グランプリが開催される。まず今週の第6戦マイアミGP、10月に行われる第19戦オースティンのアメリカGP、そして11月のラスベガスGPと、同じアメリカでもその条件、雰囲気はまったく異なる。
マイアミGPが行われるマイアミ・インターナショナル・オートドロームの特徴は、パーマネントサーキットでも公道市街地コースでもなく、「ハードロックスタジアム」周辺に敷地内に仮設される暫定的なコースであるということ。F1グランプリ開催のために臨時に建設されるため、レーシングアスファルト舗装された路面は平滑で状態はいいが、開始時はラバーが乗っていないため滑りやすく、スケジュールが進行するとともにみるみる路面は改善されていく。
そのコースレイアウトは変化に富んだもので、最高速度は時速340kmを超える一方で、低速コーナーも多く、どのコーナーを重視するか悩ましい。また仮設コースでありながら高低差もいくつかあり、とくにターン13からターン16はまるでフォーミュラEのコースのように狭く、アップダウンもある危険な設定となっている。
この結果、各チームのセッティングは微妙に異なるものとなることが多く、ピレリでは「レース中のオーバーテイクは数多く見られるだろう」と予想する。
コースには陽光が降り注ぎ、この時期の気温は25度を超え、30度に達することも想定しておく必要がある。昨年は天候はくもりだったが、それでも最高気温は30度、路面温度は35度から最高43度まで上がった。さらに海風は最大時速50kmの突風となることも多く 天候が悪化してにわか雨や雷雨が発生することがあるから厄介だ。