運も味方につけた快走撃、ノリスがついに初の頂点
これまで何度となく表彰台に上がりながら優勝が遠かったノリスに、ついに栄光の日が訪れた。
5番グリッドからのスタートとなったレースは、序盤はひとつポジションを落として我慢の展開。しかし、前戦同様に第1スティントを引き延ばしたことで道が開けた。
ポールポジションから首位を走っていたフェルスタッペンをはじめとする上位陣が先にタイヤ交換に入り、自動的に首位に繰り上がっていた28周目にセーフティカーが入ったのだ。
これで最小限のタイムロスでタイヤ交換を済ませたノリスは首位のままコースに復帰。33周目の再スタート直後にはフェルスタッペンに競りかかられる局面もあったが、冷静にこれを処理してポジションをキープした。
その後、力強い走りで最速ラップを連発するノリスに対して、レッドブルのペースが伸びない。第1スティントのミディアムタイヤ装着時からバランスの不安を抱えていたフェルスタッペンは、ハードタイヤ装着によってさらにその症状が悪化。マクラーレンのペースについていけず、最終的には7秒以上の差で後塵を拝すことになった。
歓喜のチェッカーを受けたノリスは「ついにやった! 長くてタフなレースだったけど、やり遂げたんだ。ここまでの6年間、いろんなミスもあったけど、信じて支えてくれたマクラーレンのみんなに感謝したい」と喜びの涙を流した。
一方、完敗の形となったフェルスタッペンだが、こちらは「レースなんだから勝つこともあれば負けることもある。ランドを祝福したい」と冷静にコメント。前日のスプリントを制したこともあり、4位に終わったランキング2位のチームメイト、セルジオ・ペレスとの差を33点に広げている。
次戦第7戦エミリア・ロマーニャGPは、5月19日、イタリア・ボローニャ近郊イモラのアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリで開催される。(文:新村いつき)