さまざまな状況が待ち受けるチャレンジングなラリー
ラリー・ポルトガルは1973年のWRC初年度からシリーズに含まれてきたクラシックイベントのひとつ。流れるようなコーナーが連続するハイスピードなステージと荒れた路面が続くチャレンジングなステージの両方があり、グラベルでのクルマのパフォーマンスを見る上で最適なラリーであると言われている。
ステージの路面は1回目の走行時と2回目の走行時でコンディションが大きく変わることが大きな特徴で、出走順が大きなファクターとなる傾向があるが、時に強い雨が降ることもあるなど天候にも大きく左右される。
それでも伝統的なラリーだけにトップドライバーはステージを熟知しているので、ペースは非常に速く、かなりの接戦になることが予想される。
ラリーは9日の夕方、ポルトガル北部の古都コインブラでセレモニアルスタートが行われ、その後、午後7時過ぎから大西洋に面するリゾート地「フィゲイラ・ダ・フォス」に移動。SS1として2.94kmのスーパーSSが1本行われ、戦いの火蓋が切って落とされる。
本格的な戦いは10日のデイ2から始まり、コインブラの東側エリアで4本のステージを各2回走行。デイ2はミッドデイサービスが設定されず、簡便な整備作業のみで8本合計126.90kmのステージを走りきる。
11日のデイ3は、サービスパークの東北エリアに広がるカブレイラ山脈の周辺で4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、ラリークロスサーキットで名物のスーパーSSが行われデイ3は終了。9本のステージの合計距離は145.02kmと4日間で最長の一日となる。
12日の最終日デイ4は「カベセイラス・デ・バスト」、大ジャンプで人気の「ファフェ」の2本のステージをミッドデイサービスなく各2回走行。最終ステージとなるSS22「ファフェ」の2回目は、トップ5タイムを記録したドライバーとマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが付与される「パワーステージ」に指定されている。
ラリーは4日間で22本のSSを走行し、その合計距離は337.04km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1690.12kmとなる。