5月19日から20日にかけて行われたスーパーフォーミュラ第2戦九州大会。2024年シーズンは例年より約1ヶ月早い開幕ということもあり、第2戦まで2ヶ月間が開くことになった。舞台は大分県日田市にあるオートポリス。チャンピオンの完勝だった開幕戦とは異なり、第2戦では嬉しさと安堵の涙が光る1戦となった。(文:河村大志/写真提供:日本レースプロモーション)

ついにやった!牧野任祐がスーパーフォーミュラ初優勝

画像: 牧野が好スタートを切りトップでターン1へ進入。岩佐は牧野を意識しすぎたか、山本にもアウトから並びかけられ3位に後退してしまう。

牧野が好スタートを切りトップでターン1へ進入。岩佐は牧野を意識しすぎたか、山本にもアウトから並びかけられ3位に後退してしまう。

決勝日は快晴で、気温24度、路面温度38度のドライコンディションの中行われた。41周の決勝レースは2番グリッドの牧野がリアクション、蹴り出しともに素晴らしいスタートを決めトップでターン1を通過。一方、ポールシッターの岩佐はまずまずのスタートを切るも牧野に先行を許す。岩佐は牧野を意識しすぎたか、アウト側から山本にもパスされ3位に後退してしまった。

トップにたった牧野は序盤からハイペースでレースをリード。ピットウィンドウが開く10周目には2位の山本に5秒もの大差をつける走りを見せた。

牧野に逃げられてしまった山本は岩佐を従え周回するが、10周目にピットインを敢行。上位では山本と太田が真っ先に動く格好となった。

山本がピットに入り、クリーンエアを得た岩佐は牧野を猛追。レース折り返しとなる20周目には3秒差にまで迫っていた。しかし、以降は両者のギャップは縮まらず、徐々にタイヤの消耗によりラップタイムが落ちていく。

このタイミングでトップの牧野と2位の岩佐が同時にピットイン。24周目にタイヤ交換を行うと、牧野は山本の前(実質のトップ)でコースに復帰。しかし、岩佐は山本と太田の後での復帰となり、再び牧野の先行を許す形になってしまった。

岩佐はタイヤのアドバンテージを活かし太田をパスし山本に狙いを定めていく。早く山本を攻略し、牧野を追いたい岩佐だったが、ストレートスピードが伸びず苦戦。岩佐は残り8周でようやく山本を攻略するも、牧野とは13秒もの大差がついていた。

画像: 速さ、流れ、チームワークが全て噛み合い完勝となった牧野とDOCOMO TEAM DANDELION RACING。

速さ、流れ、チームワークが全て噛み合い完勝となった牧野とDOCOMO TEAM DANDELION RACING。

岩佐は最後の最後までアタックを続けたが届かず。独走でチェッカーフラッグを受けた牧野が参戦6年目にしてスーパーフォーミュラ初優勝となった。力走を見せた岩佐は8秒ものギャップを詰めるも5秒足りず2位、3位には岩佐と同様に追い上げを見せた坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が入った。

嬉しい初優勝となった牧野は感情を爆発させ、チームスタッフと抱擁。初優勝を噛み締めていた。さらに、ランキングにおいても野尻とポイントに並び、ポイントリーダーに浮上している。

画像: ゴール後は涙を堪えることができなかった牧野だが、表彰台では嬉しさを噛み締めていた。悔しさを滲ませる岩佐とベストを尽くし満足げな坪井の表情も印象的だった。

ゴール後は涙を堪えることができなかった牧野だが、表彰台では嬉しさを噛み締めていた。悔しさを滲ませる岩佐とベストを尽くし満足げな坪井の表情も印象的だった。

2024年 スーパーフォーミュラ 第2戦 決勝結果(トップ10)

1 5 牧野任祐 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 41LAPS
2 15 岩佐歩夢 TEAM MUGEN +5.565
3 36 坪井翔 VANTELIN TEAM TOM’S +8.978
4 64 山本尚貴 PONOS NAKAJIMA RACING +25.812
5 6 太田格之進 DOCOMO TEAM DANDELION RACING +26.311
6 38 阪口晴南 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING +28.385
7 3 山下健太 KONDO RACING +29.385
8 8 福住仁嶺 Kids com Team KCMG +30.041
9 16 野尻智紀 TEAM MUGEN +0.286
10 7 小林可夢偉 Kids com Team KCMG +31.419

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