ステランティスは、同社の「Jeep」ブランド初となるグローバルBEV(電気自動車)「ワゴニアS」を、2024年秋より米国とカナダでローンチすると発表。その後、順次ワールドワイドの展開を開始する。エアロダイナミックなフォルムとタフさを兼ね備えた、新次元のジープの登場は、多くのファンの注目を集めそうだ。

照明と化した7スロットルグリル。あらたな「Jeep」神話の幕開け

オイリーなクルマの代表格とも言える「Jeep(ジープ)」ブランドに、BEV「ワゴニアS」が加わる。同ブランド初のグローバル向け電気自動車で、2024年秋の米国とカナダでの発売を皮切りに、順次世界へとデリバリーが開始される。売り出し価格は7万1995ドル(約1130万円)。

画像: 輝く7スロットルグリル。BEV「ワゴニアS」の象徴となりそうだ。

輝く7スロットルグリル。BEV「ワゴニアS」の象徴となりそうだ。

まずは、「ワゴニアS」のフォルム。伝統の7スロットグリルはそのままながら、通気や冷却の必要がなくなったBEVゆえに、このモデルでは照明の役割を担う。現代建築にインスパイアされた、車両を印象的に見せるライティング手法がとられており、夜間での存在感がこれまで以上に際立ったものになるという。

空力への配慮にも怠りはない。フードとフロントガラスの曲線をはじめ、傾斜したルーフラインはリアスポイラーへと続く。そこには機能性だけでなく、スタイリッシュさという「美」を感じることもできそうだ。

ちなみに、初荷となる「ワゴニアS ローンチエディション」には、20インチのグロスブラックホイールが装着され、エクステリアにグロスブラックやダークグレーのアクセントが配される。

完全デジタル化のコックピット。ディスプレイスペースが45インチ

インテリアは、現行の「グランドワゴニア」風のスリムで直線的なコックピットながら、その実はBEVならではの完全デジタル化された世界が広がる。10.25インチのフロントインタラクティブパッセンジャーディスプレイや、12.3インチドライバーディスプレイ、19スピーカー/1200ワットのマッキントッシュ オーディオシステムなどなどだ。ちなみに、ディスプレイスペースは45インチとなる。

画像: 完全デジタル化されたコックピット。デザイン性の高さもグローバルモデルにふさわしい。

完全デジタル化されたコックピット。デザイン性の高さもグローバルモデルにふさわしい。

しかし、それらは無味乾燥な佇まいではない。インパネにはワインレッドのアクセントステッチと彫刻的なトリムが施され、クロスメタルデコレーションの12.3インチドライバーディスプレイと、これまでのジープにない洗練さを見せている。

電子ドアもスマートな機構だ。親指で軽く触れるだけで簡単に作動する。また、5人乗りの「ワゴニアS」には、ヒート&ベンチ機能が前後席に標準装備される。BEVとしては初とのことだ。

加えて前述の「ローンチエディション」では、昼夜設定が可能なLED照明と64色が用意されるアンビエントライトが標準で装備される。

駆動は5つのモードを持つ電動4輪駆動「4Xe」

性能に目を向けよう。最高出力は600hpで最大トルクは617 lb.-ft.(約837Nm )。そのパワフルさには、文句の着けようがない。時速0マイルから60マイル(約時速90キロ)まで、わずか3.4秒で達してしまうのだから。

画像: 600hpのパワーを5つのドライブモードで操る。

600hpのパワーを5つのドライブモードで操る。

プラットフォームは、のBEV専用「STLA Large」。駆動は4xeと呼ばれる電動4輪駆動。、SAND(サンド)、SNOW(スノー)、ECO(エコ)、AUTO(オート)、SPORT(スポーツ)の5つのドライブモードを有する。

気になる満充電時の航続距離は300マイル(約480キロ)。充電は、急速充電で20-80%までが23分となる。普通充電は、48アンペアのレベル2に対応する。

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