2024年6月15日〜16日(現地時間)、WEC世界耐久選手権のハイライトともいえる第4戦「ル・マン24時間」決勝がル・マン(フランス)のサルテサーキットで開催され、フェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499P (アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)が優勝。フェラーリは昨年の51号車に続き、ル・マン2連覇を達成した。王座奪還を狙っていたトヨタは、7号車がわずかに及ばず2位に終わった。悪天候による長時間のセーフティカー導入などにより終盤まで接戦が続いたが、最後はピットインのタイミングをどうコントロールするか注目される中、燃料がぎりぎりの50号車フェラーリが、燃料を補給してハイペースで飛ばす7号車トヨタを振り切った。
雨とセーフティカーがドラマを演出、最後までもつれる大接戦
ポールポジションを獲得したポルシェ963、予選で2-3番手タイムをマークしたキャデラックVシリーズに注目が集まったが、決勝が始まると、フェラーリ499P勢、予選で後方に沈んだトヨタGR010ハイブリッド勢が復調、さらに幾度も降雨に見舞われ、悪天候やアクシデントでたびたびセーフティカーが導入され、ピットインのタイミングで順位が変わる、スリリングな展開となった。
ル・マン24時間は長距離レースであるものの我慢のレースではなく、全開走行を重ねながらアクシデントやトラブルを克服し、より多くの周回を重ねるレース。優勝した50号車フェラーリ、2位のトヨタ7号車にとっても、スローパンクチャーや接触、ピットでのロスなどさまさまなことがあった。
レース終盤に向けて、序盤から上位グループを走行していた50号車フェラーリと、2度にわたるパンクで大きくタイムを失いながらも圧倒的なハイペースでの追い上げてきた7号車トヨタが優勝争いを繰り広げ、ピットインのタイミングで首位が入れ替わる接近戦になっていく。
残り1時間、トップに立っていた50号車フェラーリが先に燃料補給。これで首位に戻った7号車トヨタだったが、残り42分で燃料補給し、再び50号車フェラーリがトップに立った。
しかし、50号車フェラーリはゴールまで燃料がぎりぎり。それでも追加の燃料補給をすれば優勝は望めず、なんとか走り切るしかない。
ペースを落として燃料をセーブし、レース周回数を少なくしたい50号車フェラーリを、7号車トヨタが必死に追う。それでもその差はなかなかつまらない。そんな中、フェラーリにとっては恵みの雨が再び降り始める。
周回数が312〜313周になれば、50号車フェラーリは燃料が足りないという状況の中、雨のため、レースペースはダウン。周回数は311周にとどまり、なんとか50号車フェラーリが逃げ切ったが、最後まで走り切れるのか、スリリングな結末だった。
3位には51号車フェラーリが入り、6号車ポルシェは4位、トヨタ8号車が5位。上位9台が311周を周回する接戦だった。
2024年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間 決勝
1位 50 フェラーリ 499P・AFコルセ(フオコ/モリーナ/ニールセン) 311周
2位 7 トヨタGR010ハイブリッド(デフリース/小林可夢偉/ロペス)+14.221s
3位 51 フェラーリ 499P・AFコルセ(グイディ/カラド/ジョビナッツィ)+36.730s
4位 6 ポルシェ 963・ペンスキー(エストレ/ロッテラー/バンスール)+37.897s
5位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+62.824s
2024年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 エストレ/ロッテラー/バンスール(ポルシェ) 99
2位 フオコ/モリーナ/ニールセン(フェラーリ) 90
3位 小林可夢偉/デフリース(トヨタ)82
4位 スティーブンス/アイロット(ポルシェ) 60
5位 キャンベル/クリステンセン/マコヴィキー(ポルシェ)56
6位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(フェラーリ)48
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8位 ブエミ/ハートレー/平川亮(トヨタ)44
2024年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第4戦終了時)
1位 ポルシェ 108
2位 フェラーリ 99
3位トヨタ 96
4位 アルピーヌ23
5位 BMW 21