2024年6月23日(現地時間)、F1世界選手権第10戦スペインGPがバルセロナ郊外モンメロのカタロニア・サーキットで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝、2位はマクラーレンのランド・ノリス、3位にはメルセデスのルイス・ハミルトンが入った。金曜日から不調だった角田裕毅(RB)はレースでもペースが上がらず19位に終わった。

またもノリスと大接戦、フェルスタッペンが粘り勝ち

画像: 決勝スタート時の気温は24度、路面温度39度。予想よりも気温は高くなったが、コンディションはドライで良好だった。

決勝スタート時の気温は24度、路面温度39度。予想よりも気温は高くなったが、コンディションはドライで良好だった。

レースを通してより速かったのはレッドブルとフェルスタッペンではなく、前日の予選で僅差の逆転ポールポジションを獲得したマクラーレンのノリスだった。しかし最終的に勝ったのはまたしてもフェルスタペンだった。

勝負の最初のポイントとなったのはスタート。ターン1までの長いストレートを活かして、蹴り出しの良かったフェルスタッペンがノリスのスリップも使ってイン側に並びかけると、両者は牽制し合うかたちに。この間隙を予選4位のジョージ・ラッセル(メルルセデス)がつき、ターン1のアウト側から一気に2台をまくって首位に躍り出る。フェルスタッペンもイン側からノリスをかわし、ラッセル、フェルスタッペン、ノリスのオーダーでオープニングラップは終了。

上位3台のオーダーが動いたのは3周目、ターン1でフェルスタッペンがラッセルをかわして首位に立つ。ここからフェルスタッペンがペース上げて、後続とのギャップを開いていく。ここがレース第2のポイントとなった。

その後、2番手ラッセルが16周目、首位フェルスタッペンが18周目にピットインしてソフトタイヤからミディアムタイヤに交換したのに対し、ノリスはタイヤ交換を23周目まで遅らせる戦略を敢行。より履歴の新しいタイヤを履いたマクラーレンはレッドブルを上回るペースで追い上げ、35周目にはラッセルをかわして2番手へと浮上する。この時点で首位フェルスタッペンとの差は9.5秒だった。

フェルスタッペンの2回目のタイヤ交換は、2台の差が5秒を切った44周目。ノリスは47周目に同じソフトタイヤへ交換したもののやや手間取って、その差8秒からの最後の追い上げとなる。

ここからノリスは1周につき0.5秒以上速いタイムで差を削り取ったが、レーススタートで中古のソフトを選んでいたフェルスタッペンは、最終スティントで新品のソフトを装着。一方、スタートで新品ソフトだったノリスは最終スティントでは中古タイヤとなり、レース終盤に入ると差がなかなか縮まらない状況になっていった。

画像: ノリスとの一騎討ちを制したフェルスタッペン。レースペースはノリスのほうがむしろいいように見えたが、最後に履いたソフトタイヤが明暗を分けた。

ノリスとの一騎討ちを制したフェルスタッペン。レースペースはノリスのほうがむしろいいように見えたが、最後に履いたソフトタイヤが明暗を分けた。

初優勝をあげたバルセロナで4回目、通算61勝目をマーク

結局最後まで背後にノリスを迫らせなかったフェルスタッペンは、2秒強の差をつけたまま前戦カナダに次ぐ、シーズン7勝目を挙げた。

「最初のスティントで差を広げられたのが大きかった。そのあとはランドのタイヤが全然タレなくて守りのレースになったけど、なんとかタイヤをキープできた」とレース後はホッとした表情だったフェルタッペンは、ドライバーズ選手権ランキングでは2位に浮上したノリスとの差を69点に広げている。

画像: このところ、急接近しているように見えるフェルスタッペン(左)とノリス。ライバル関係になりつつある。

このところ、急接近しているように見えるフェルスタッペン(左)とノリス。ライバル関係になりつつある。

画像: スペインGPのタイヤ戦略。ノリスはフェルスタッペンとは異なる戦略を試し、最初の2スティントを長くしてフレッシュなソフトタイヤで終盤に追い上げたが、ユーズドのソフトタイヤを使用したのは注目に値する。

スペインGPのタイヤ戦略。ノリスはフェルスタッペンとは異なる戦略を試し、最初の2スティントを長くしてフレッシュなソフトタイヤで終盤に追い上げたが、ユーズドのソフトタイヤを使用したのは注目に値する。

グランプリはすぐにオーストリアに移動し、6月28日金曜日には第11戦オーストリアGPの公式スケジュールがスタート。レースはレッドブルの本拠地、シュタイアーマルク州シュピールベルグのレッドブルリンクを舞台に開催される。

次戦第11戦オーストリアGP決勝は6月30日15時(日本時間22時)にスタートする。(文:新村いつき)

2024年F1第10戦スペインGP リザルト

2024年F1第10戦スペインGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)66周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+2.219s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+17.790s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +22.320s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+22.709s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ) +31.028s
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+33.760s
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+59.524s
9位 10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+71.889s
10位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+79.215s
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15位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT) +1周
19位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT) +1周
ファステストラップ 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:17.115

2024年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 219
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)150
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)148
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)116
5位 11 S.ペレス(レッドブル)111
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)87
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)81
8位 44 L.ハミルトン(メルセデス)70
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)41
10位 22 角田裕毅(RB)19

2024年F1コンストラクターズランキング(第10戦終了時)

1位 レッドブル 330
2位 フェラーリ 270
3位 マクラーレン 237
4位 メルセデス 151
5位 アストンマーティン 58
6位 RB 28

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