超高級なインテリアに1800psのパワートレーン
最近のクルマでは、ほとんどのモデルがインテリアにデジタルモニターやタッチスクリーンを多用するが、ブガッティは100年後でも色褪せない時代を超越したインテリアを目指した。腕時計のトゥールビヨンのように、インストルメントクラスターは600以上の部品で構成され、チタンやサファイア、ルビーなども採用されている。しかも、このクラスターはステアリングホイールのスポークの前に備わり、ステアリングホイールを切っても表示が遮られることはない。
センターコンソールはクリスタルガラスのアルミニウムで形成され、そこにエンジンスタートのプルレバーなどが備わる。必要に応じて、センターコンソールの上部からタッチスクリーンが展開する。
パワートレーンはコスワースの協力で設計された新開発の8.3L 自然吸気V16エンジンに、リアアクスルに1基の電気モーター、フロントにも2基の電気モーターを取り付けたeアクスルと組み合わされたハイブリッドシステムだ。エンジンから1000ps、モーターから800ps、システム総合の最高出力は1800psに達する。しかも、最先端の技術と軽量素材の採用により、エンジンの重さはわずか252kgだ。フル充電状態なら、モーターだけで60km以上の走行が可能だ。
シャシは次世代カーボンコンポジット材を採用し、シロンよりも大幅に軽く硬い構造となっている。鍛造アルミニウムによるマルチリンク サスペンションの重量もシロンより45%も軽い。バイワイヤシステムのブレーキには、カーボンセラミックも採用されている。タイヤはオーダーメイドされたミシュランのパイロットカップスポーツ2で、フロントに285/35R20、リアに345/30R21を履く。
ブガッティの新たなハイパースポーツカー、トゥールビヨンは2026年からのデリバリーを目指して、現在プロトタイプのテストが進められている。生産台数は250台で、車両価格は380万ユーロ(約6億5000万円!)からとなっている。