この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第81回目は、DOHCエンジンの魅力を世に振りまいた、トヨタ コロナ 2000GTのの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

DOHC移植でRT55コロナを凌ぐスーパーセダンに

トヨタの中核をなすミドルセダンであるコロナは、昭和48(1973)年 8月にフルモデルチェンジを行い、5代目に生まれ変わった。

画像: ケレン味のないハードトップのサイドビュー。8km/h以下の衝突の場合に限り、復元性を発揮する衝撃吸収バンパーをオプションで設定した。

ケレン味のないハードトップのサイドビュー。8km/h以下の衝突の場合に限り、復元性を発揮する衝撃吸収バンパーをオプションで設定した。

昭和38(1963)年に登場した日産の410型ブルーバードと昭和39年登場のRT型コロナで始まったいわゆるBC戦争は、代を重ねるたびにエスカレートしていたが、このRT104型コロナがデビューする頃には両車の競争は最高潮に達した。

コロナはシャープなラインのボクシーなシルエットをスタイリングのポイントとし、4ドアセダン(後に2ドアセダンも加えられた)と2ドアハードトップを用意していた。安全対策と公害対策に力を注いだが、スポーティモデルも忘れていなかった。

それが、DOHCユニットをノーズに収めた、コロナ2000GTだ。セダンの2000GTとハードトップ2000GTが設定され、両車とも“羊の皮を被った狼”的な雰囲気にまとめられていた。その心臓となるのは、セリカやマークⅡ 2000GSSに積まれてい た2L の18R-G型4気 筒DOHCだ。

88.5 ×80.0mmのオーバースクエアで、総排気量は1968ccになる。これにソレックスキャブを2基装着し、145ps/6400rpm、18.0kgm/5200rpmを発生した。

性能的にも2Lモデルとしてはトップレベルにあり、ポルシェタイプの5速MTを介して最高速200km/hを公称する。サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがトルクロッドを装備した4リンク式リーフリジッドだ。

画像: エンジンは2Lとなる直4DOHC8バルブの18R-G型。セリカLB2000GTなどと同一の高性能ユニットだ。ソレックスキャブレターと圧縮比9.7という設定で145psを発生する。

エンジンは2Lとなる直4DOHC8バルブの18R-G型。セリカLB2000GTなどと同一の高性能ユニットだ。ソレックスキャブレターと圧縮比9.7という設定で145psを発生する。

コロナ2000GTは排出ガス規制とオイルショックによるパニックという荒波にもまれながらも生き延び、 DOHCパワーの素晴らしさを人々に伝えたのだった。

トヨタ コロナ2000GT(RT104型)諸元

●全長×全幅×全高:4250×1610×1390mm
●ホイールベース:2500mm
●車両重量:1090kg
●エンジン型式・種類:18R-G14型・直4DOHC
●排気量:1968cc
●最高出力:145ps/6400rpm
●最大トルク:18.0kgm/5200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70HR14
●新車価格:110万5000円

This article is a sponsored article by
''.