チャンピオンに向けてウェーレインが第15戦を制す
ExCeLセンターの室内とその周辺に作られた特設コースで行われるロンドンE-Prix。オリジナリティ溢れるコースでランキング2位につけるミッチ・エバンス(JAGUAR TCS RACING)がポールポジションを獲得した。
フロントローにはセバスチャン・ブエミ(ENVISION RACING)、3番グリッドには逆転チャンピオンを狙うウェーレインがつけた。
前戦ポートランドでまさかのノーポイントに終わったニック・キャシディ(JAGUAR TCS RACING)は流れを呼び込むことができず17番グリッドと不振。ランキング首位ながら厳しい戦いを強いられることになった。
チャンピオンシップにおいて重要な決勝レースはいきなり波乱の幕開けとなった。ロビン・フラインスENVISION RACING)がクラッシュしたところにサム・バード(NEOM MCLAREN FORMULA E TEAM)が煽りをくらいストップ。バードはコースに復帰するも、フラインスがコースを塞いでしまい、いきなりSC(セーフティカー)が出動した。
5周目からレースが再開するも、6周目にはジャン-エリック・ベルニュ(DS PENSKE)とジェイク・デニス(ANDRETTI FORMULA E)、オリバー・ローランド(NISSAN FORMULA E TEAM)とアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM)がクラッシュ。コースレイアウトも相まってレースは荒れ模様となる。
この荒れた展開を利用しポジションを上げたのがキャシディだった。ライバルのバトルを掻い潜り、シングルフィニッシュが見えてきたキャシディ。しかし、アタックモードが作動しないアクシデントが発生し、消化することなくポジションだけ落としてしまう事態となった。
トップ集団は予選の順位通りで周回を重ねていくが、ウェーレインがトップに浮上するとペースアップ。エバンスとの差を広げ、アタックモードを消化。トップのまま2回のアタックモードを使い切り、トップチェッカーを目指していく。
しかし、ノーマン・ナトー(ANDRETTI FORMULA E)とサッシャ・フェネストラズ(NISSAN FORMULA E TEAM)が接触し、デブリが撒かれたことによりSCが出動。これによりウェーレインのリードがゼロになってしまった。
レースが再開されると、2番手に上がったマキシミリアン・ギュンター(MASERATI MSG RACING)にトラブル発生。マシンをコース上に停めた。ことでフルコースイエローが宣言された。SCの出動やフルコースイエローが宣言されたこともあり、アディショナルラップとしてレース周回は37周から39周に変更された。
残り3周でレースが再開されるとウェーレインが逃げ切り優勝。今季3勝目を挙げ、ランキングトップに躍り出たウェーレインはチャンピオンに最も近いポジションで最終戦に挑むことになった。
エバンスは最後ウェーレインにアタックするも届かず2位。3位にはブエミが入り今季初の表彰台獲得となった。
キャシディは7位でフィニッシュするもランキング3位に後退。チャンピオン争いはウェーレイン、エバンス、キャシディの3名に絞られた。