メルセデスのハイパフォーマンスブランドとなった「AMG」
AMGは1967年、自動車エンジンの設計会社としてスタート。創立者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Hans Werner Aufrecht)、エンジニアのエルハルト・メルヒャー(Erhard Melcher)、アウフレヒトの故郷であるグロースアスパッハ(Groaspach) の頭文字をとって会社名を「AMG」とした。
アウフレヒトはダイムラー・ベンツ社に入社してレーシングカーの開発に携わっていたが、ダイムラー・ベンツ社がレース活動を休止したため、自らレースに参戦する会社を設立したのだった。
こうして「AMG」は1971年のスパ・フランコルシャン24時間レースにメルセデス・ベンツ 300SEL 6.3(W109)で出場、当時は非公式のメルセデス・チューナーであったが、その衝撃的なデビューによって、その名は世界中に轟くこととなる。
そして、その高性能ぶりからアフターマーケット市場でメルセデス・ベンツの乗用車のチューナーとして人気を集め、その後、公式にメルセデス・ベンツへの部品供給を始めたほか、レースではワークス的な位置付けでツーリングカーやGTカーのレース車両の開発・運用を行うようになる。
メルセデスとの関係を深めていったアウフレヒトは、1999年にAMGの株式の51%をダイムラー・クライスラーへ売却し、2005年には全保有株を譲渡。AMGはダイムラーのハイパフォーマンスブランド「メルセデスAMG」と呼ばれるようになった。
「AMG」が徐々にダイムラーの子会社となって行く中で、アウフレヒトはレースの実戦部隊となる会社「HWA AG」を創立。「メルセデスAMG」とともにレース活動を行うようになっていく。ちなみに「HWA」とはハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Hans Werner Aufrecht)を意味している。