ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年。ポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた「911ターボ」の軌跡をたどる短期連載企画、今回は第三世代の新ジェネレーション版をフィーチャーしよう。

第3世代:964ターボ(1991-1995)パフォーマンスの向上と排出ガス基準への対応

ポルシェ911は1988年の「911生誕 25 周年」に社内で「964」と呼ばれていた新世代モデルに移行した。新世代の狙いはパフォーマンスのさらなる向上と厳しい排出ガス基準への対応だったが、このために新世代の 911 の全部品の 85% 以上を刷新。また4輪駆動の911カレラ 4 を発表したのもこの世代だった。

画像: 3代目ポルシェ911ターボ「964ターボ」は、厳しい排出ガス基準に対応しながら、パフォーマンスのさらなる向上を狙って開発が進められた。

3代目ポルシェ911ターボ「964ターボ」は、厳しい排出ガス基準に対応しながら、パフォーマンスのさらなる向上を狙って開発が進められた。

その新世代「964 」では1991年に「911ターボ(964ターボ)」が登場、3.3Lターボエンジンは再設計され、235 kW (320ps) にパワーアップされていた。特別な機能の1つは、三元金属触媒コンバーターと排気サイレンサーを備えたバイパステールパイプで、バイパスに導かれた排気ガスは通常の触媒コンバーターによる背圧から回避された。

その2年後には、964ターボは排気量を3.6Lに拡大し、265kW(360ps)を実現。エンジン開発はとくに低回転でより多くのトルクを生み出すことを重視、排気量の拡大によりブースト圧をより早く高めることができるようになった結果、ターボチャージャーがスムーズに作動し、中速回転でも大きな推進力が得られるようになった。

964ターボの最高速度は280km/hまで高まり、20mm低くされたシャシと再調整されたサスペンションにより、ステアリング操作がさらにダイレクトに感じられるようになった。

また典型的な911ターボの外観は、赤いブレーキキャリパーとリアの新しいセンターセクションによって強調されていた。部品の85% 以上が刷新されたにもかかわらず、誰が見ても911ターボそのものだった。

画像: 赤いブレーキキャリパーと新しいリアセクションが3代目ポルシェ911ターボ「964ターボ」の特徴。

赤いブレーキキャリパーと新しいリアセクションが3代目ポルシェ911ターボ「964ターボ」の特徴。

ポルシェ 911ターボ(1991)[964ターボ3.3] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4250×1775×1310mm
●ホイールベース:2272mm
●重量:1470kg
●エンジン:空冷・水平対向6 SOHCターボ
●排気量:3299cc
●最高出力:320ps/5750rpm
●最大トルク:450Nm/4500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:RR
●最高速:270km/h
●0→100km/h加速:5.0秒

ポルシェ 911ターボ(1993)[964ターボ3.6] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4275×1775×1290mm
●ホイールベース:2272mm
●重量:1470kg
●エンジン:空冷・水平対向6 SOHCターボ
●排気量:3600cc
●最高出力:360ps/5300rpm
●最大トルク:520Nm/4200rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:RR
●最高速:280km/h
●0→100km/h加速:4.8秒

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