この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第90回目は、アグレッシブなフォルムで話題を呼んだ2ドアクーペ、三菱ギャランΛ2000GSRの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

美しさが際立つ2ドアクーペとして異彩を放つ存在だった

昭和51(1976)年5月に発表されたギャランΣから約6カ月遅れて発表されたギャランΛ(ラムダ)は、その美しい2ドアボディが印象的なスペシャリティカーだった。

画像: 全体的にインパクトのあるデザインだが、特徴はリアにもよく表れている。ロールバールーフとラウンドしたリアウインドウは今見ても新鮮。攻めたデザインと言っていいだろう。

全体的にインパクトのあるデザインだが、特徴はリアにもよく表れている。ロールバールーフとラウンドしたリアウインドウは今見ても新鮮。攻めたデザインと言っていいだろう。

ホイールベースはΣと同一だったものの全長は若干長く、居住空間もこのクラスとしては広いものだった。アメリカにおいても市場に導入され人気は絶大だった。

ここで紹介する2000GSRは、Λのスポーティグレードとして位置付けられていたモデルだ。後に1600ccモデルが追加され、その車種構成は大幅に拡充されるが、デビュー当初は2000cc車が唯一の存在。

搭載されるエンジンは4G52型と呼ばれたサイレントシャフト付き直列4気筒SOHC。ツインキャブ、プレミアムガソリン、高圧縮比で、シングルキャブの105ps車に勝ること10psの115ps /6000rpmの最高出力を発生した。

ブレーキは4輪ともディスク、タイヤも14インチが装着されるなど、装備面でも話題が多かったΛだが、最も強くユーザーの心を捉えたのは、マイルドで余裕のある走りだ。高速クルーザーとしての実力は相当なもので、常に静粛かつ快適な走行フィールが得られた。 

昭和53(1978)年11月のマイナーチェンジで排出ガス規制に追われるようにいったん姿を消したGSRだが、Λは昭和55(1980)年5月にフルモデルチェンジを行い、G63Bを積んだGSRが再登場している。

画像: 国産車としては初めての採用となった1本スポークのステアリングホイールが目を引く。Σに比べるとインパネは意外とスタンダードなデザインだ。

国産車としては初めての採用となった1本スポークのステアリングホイールが目を引く。Σに比べるとインパネは意外とスタンダードなデザインだ。

この時はツーリング系モデルの最高出力110psに対しプラス10psの120psが与えられたのみだったが、同年11月、145psのG63ターボエンジンを積んだモデルが追加となり、こちらがGSRとなる。

三菱ギャランΛ2000GSR(A123A型)諸元

●全長×全幅×全高:4510×1675×1310mm
●ホイールベース:2515mm
●車両重量:1120kg
●エンジン型式・種類:4G52・直4SOHC
●排気量:1995cc
●最高出力:115ps/6000rpm
●最大トルク:16.5kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70HR14
●新車価格:151万円

This article is a sponsored article by
''.