ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年。ポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた「911ターボ」の軌跡をたどる短期連載企画、今回は第六世代の革新ぶりを紹介しよう。

第6世代:997ターボ(2006-2012) かつてないほどのパワーアップ

997世代の911ターボは、可変タービンジオメトリー (VTG) を備えたターボチャージャーを搭載した世界初のガソリン エンジン量産車として2006年に登場した。

このテクノロジーにより排気ガスの流れ全体をあらゆるエンジン速度で最適に利用できるようになり、排気量は従来と同じ3.6Lのまま、44kW (60ps )もパワーが向上し、最高出力は353kW (480ps)に到達 。最大トルクも560Nmから620Nmに60Nm 増加した。

この世代からオプションで「スポーツ クロノ パッケージ ターボ」も登場。ボタンを押すだけでフル加速時にオーバーブーストを作動させることができるシステムで、これにより、最大10秒間トルクがさらに60Nm増加して680Nmとなった。

また997ターボのデビューの翌年、911ターボカブリオレも登場。そのファブリックルーフは20秒で開閉できた。

さらに2010年には大幅なアップデートが行われ、3.6Lエンジンは368kW(500ps)を発生する3.8Lエンジンに進化。このアップデートにより、最大トルクも30Nm増加して650Nmになった。また、7速デュアルクラッチトランスミッション (PDK) も登場した。

997世代の911ターボは、歴代最高のスペックを持っていただけでなく、技術の挑戦、未来へのビジョンという側面でも大きな意味を持っていた。

画像: 第6世代:997ターボ(2006-2012) かつてないほどのパワーアップ

ポルシェ 911ターボ(2006)[997ターボ-Ⅰ ] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4450×1852×1300mm
●ホイールベース:2350mm
●重量:1585kg
●エンジン:水冷・水平対向6 DOHCツインターボ
●排気量:3600cc
●最高出力:480ps/6000rpm
●最大トルク:620Nm/1950-5000rpm
●トランスミッション:6速MT/5速AT
●駆動方式:4WD
●最高速:310km/h
●0→100km/h加速:3.9秒

ポルシェ 911ターボ(2009)[997ターボ-Ⅱ ] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4450×1852×1300mm
●ホイールベース:2350mm
●重量:1570kg
●エンジン:水冷・水平対向6 DOHCツインターボ
●排気量:3800cc
●最高出力:500ps/6000rpm
●最大トルク:650Nm/1950-5000rpm
●トランスミッション:6速MT/7速DCT(PDK)
●駆動方式:4WD
●最高速:312km/h
●0→100km/h加速:3.7秒

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