突き詰められた「自在感」をさらに進化させるeアクスル
フロントモーターが必要に応じて前輪に圧倒的なトルクを配分する、フルタイム全輪駆動・・・と言ってしまえば簡単ですが、内燃機関だけでも800ps/730Nmのハイスペックなのに、さらに高応答性、強トルクの3つの電気モーターで構成されるハイブリッドシステムがもたらすであろうドライバビリティの進化への期待値は、高まるばかりです。
そもそもブランド独自のビークルダイナミクス制御技術「LDVI=ランボルギーニ ディナミカ ヴェイコロ インテグラータ」を採用した先代ウラカンEVOから、ランボルギーニは単なる力強さだけでなく、それを意のままに扱うことのできる優れた「コントロール性能」を実現したように思えます。
とくにハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルなどの操作から姿勢変化などを20ミリ秒先まで予測し、あらかじめ各デバイスの制御を行うフィードフォワード制御によるサポートは、次元の違う安心感につながるものでした。その効果は、サーキットはもちろん日本のタイトなワインディングなどでも実感することができました。
以前、サーキットでのベストラップを狙ったドライビングモード「コルサ」で、河口湖に沿って走るワインディングロード、芦ノ湖スカイラインで試乗したことがあります。ドライバーは常にニュートラルな車体姿勢による安全マージンに守られながら、操る楽しさを十二分に満喫させてもらえたのでした。
テメラリオのパワートレーンは、eアクスルとの組み合わせで進化版LDVI(ver2.0)が採用されています。これまでランボルギーニが突き詰めてきた「自由自在」感を、確実にレベルアップしてくれるでしょう。圧倒的瞬発力、効率的かつ「攻めた」回生コントロールもさることながら、こうご期待は電動化による精緻かつ絶妙なトルクベクタリングの味にあるように思えます。
「高回転のV8ツインターボと軸流フラックスタイプの3つの電気モーターを組み合わせることで、これまでの量産モデルでは見られなかった非常に洗練されたアプローチをとっています。その成果は、世界中のランボルギーニファンを感動させるでしょう。テメラリオからスーパースポーツカーは、新たなパラダイムに突入したのです」
テメラリオの最高技術責任者であり、アウトモビリ・ランボルギーニのChiefTechnical Officerを務めるルーヴェン・ムーア氏のそんなコメントが、いやおうなく期待値を煽ってくれます。もちろん、ウラカン比で最大50%削減されたというCO2排出量にも、注目べきなのですが。