車名を含めすべてを一新したMINI クロスオーバーの後継車、カントリーマン。一方、2023年2月に日本上陸を果たしたBMW X1。共通の基本コンポーネントを用いたこの2台が、いかに各ブランドらしさとその車種ならではの個性が出しているかを探った。(MotorMagazine 2024年9月号より)

Cセグメントらしいゆとりを手に入れたMINIカントリーマン

MINI史上最大のボディサイズとなったMINIカントリーマン。あんまり大きくなるとMINIらしさがなくなると懸念する声があるのはわかるが、大きなMINIが売り上げに貢献してきたのは確かだ。

画像: 乗り味は意外にもカントリーマンJCWの方がマイルド。

乗り味は意外にもカントリーマンJCWの方がマイルド。

そもそもBMW製となった初代MINIは2001年に登場。Bセグメントのコンパクトカーのわりには高額だが、プレミアム感があるうえにキャラが立っていたことから大人気となった。当初は3ドアだけで、すごく好きだけれどファミリーカーとして使うには小さすぎて諦めたという人も多く、それに対応するように、大型化や5ドア化したモデルを用意すると、販売台数がグングンと伸びた。

2010年には初代カントリーマン(日本名:クロスオーバー)が登場。MINIとしては大きく、人気上昇中のクロスオーバーSUVでもあり、これまたユーザーを大いに増やすこととなった。

初代は3ドアのプラットフォームを用いて限界まで大型化したものだったが、2代目はBMW X1などと同様のプラットフォームを用いてCセグメントへ。

初代がBセグメントとしては大きいモデルなのに対して、2代目はCセグメントとしては小さく、大型化したとはいえ、とくにラゲッジルームはファミリーカーとしてはいまひとつ。そんな声に応えて新型MINIカントリーマンは標準的なCセグメントとなったのだ。先代に比べると全長は130mm長く、全高は60 mm高くなっている。

画像: MINI カントリーマンの荷室容量はX1よりやや控えめな505〜1530L。

MINI カントリーマンの荷室容量はX1よりやや控えめな505〜1530L。

見るからに大型で立派なCセグメントSUVといった風情であり、MINIらしいデザインディテールがなければ、普通のSUVとも言えるのだが、これもまた人気になりそうだ。どんどんと大型化することに、往年のファンが眉をひそめる気持ちもわかるが、コアモデルの3ドアは逆に小型化しているのだから目くじらを立てることもないだろう。さまざまなユーザーを歓ばせるのがMINIファミリーなのだ。

そんな新型MINIカントリーマンは先代同様、BMWのFWD系であるULK2プラットフォームを採用。エンジン車とBEV(電気自動車)の両方に対応している。

今回のテーマは約1年早く登場したBMW X1との比較試乗。パワートレーンを含め、ハードウエアの多くを共有する両車の違いをあぶり出すことだ。用意された試乗車はMINIカントリーマンJCWとBMW X1 M35i xDriveで、どちらも最上級のハイパフォーマンスモデル。最高出力318ps、最大トルク400Nmという2L直4ターボエンジンで、駆動系も4WDで同一だ。

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