2024年9月3日、ホンダ・レーシング(HRC)は、アストンマーティン・フォーミュラワンチーム、アラムコ、バルボリン・グローバル・オペレーションズ(バルボリン)の3社と、F1世界選手権における2026年以降の技術協力協定を締結したと発表した。ただしこれは2026年シーズンに導入される新レギュレーションへの準備の一環であり、4社が共同で2026年仕様のF1マシン開発を推進することを目的としている。一方、2025年シーズンよりアストンマーティン・フォーミュラワンチームへのエイドリアン・ニューウェイの加入も噂されており、早くも「アストンマーティン・ホンダ」に大きな注目が集まっている。

2025年シーズンを飛び越えて、すでに始まっている2026年の準備

2023年5月、ホンダはアストンマーティン・フォーミュラワンチームとの間で「2026年からパワーユニットを供給する契約」を締結し、ホンダ・レーシングがパワーユニット開発とレース参戦・運営を行うと正式に発表。

2026年シーズンに向けて、電動モーターと内燃機関のパワーが50:50となる新しいパワーユニットを現在開発しているが、今後このパワーユニットにアラムコは最先端の燃料を、バルボリンは最先端の潤滑剤をそれぞれ開発し提供することになる。この成果が2025年まで実戦で用いられることはなく、2026年にホンダ、アストンマーティン・フォーミュラワンチーム、アラムコ、バルボリンは、各社が持てる力を発揮してサーキットで最高のパフォーマンスを発揮できるよう協力していく。

なお、ホンダ・レーシングは米国を拠点とする「Honda Racing Corporation USA」に加え、2024年3月に英国に設立したPU運用拠点「Honda Racing Corporation UK Ltd.」も合わせ、グローバルでのF1オペレーションを整えている。

画像: F1 2026年シーズンに向けて技術協力協定を締結した、ホンダ・レーシング、アストンマーティン・フォーミュラワンチーム、アラムコ、バルボリン。左からアラムコのヤッセール・マフティ エグゼクティブバイスプレジデント、アストンマーティン・フォーミュラワンチームのローレンス・ストロール エグゼクティブチェアマン、ホンダ・レーシングの渡辺康治社長、バルボリン・グローバル・オペレーションズのジャマル・ミュアシャーCEO。

F1 2026年シーズンに向けて技術協力協定を締結した、ホンダ・レーシング、アストンマーティン・フォーミュラワンチーム、アラムコ、バルボリン。左からアラムコのヤッセール・マフティ エグゼクティブバイスプレジデント、アストンマーティン・フォーミュラワンチームのローレンス・ストロール エグゼクティブチェアマン、ホンダ・レーシングの渡辺康治社長、バルボリン・グローバル・オペレーションズのジャマル・ミュアシャーCEO。

■アストンマーティン・フォーミュラワンチーム ローレンス・ストロール エグゼクティブチェアマンのコメント

「このマイルストーンは、F1 2026年シーズンに向けて、可能性の限界に挑戦する私たちの旅が大きく前進したことを意味する重要な一歩です。アラムコ、バルボリン、ホンダ・レーシングとのコラボレーションは急ピッチで進行しており、私たちの野心的な目標達成に向けて順調に進んでいます。先進的な燃料・潤滑剤の共同開発と、新しいホンダのパワーユニットにより、サーキット上でのパフォーマンスが向上し、このパートナーシップが関係者全員に大きな成功をもたらすと確信しています」

■アラムコ ヤッセール・マフティ エグゼクティブバイスプレジデントのコメント

「アストンマーティン・フォーミュラワンチーム、ホンダ・レーシング、バルボリンとの協力が着実に進展していることを、大変喜ばしく思っています。アラムコは車両の軽量化から安全性の向上に至るまで、今後市販車にも導入される可能性のあるさまざま様々な技術開発においてもチームと緊密な協力を行います。これはチームへの強いコミットメントを示すともに、モータースポーツと自動車産業の未来に役立つ、先進技術の開発に対する私たちの真摯な取り組みを象徴するものです」

■ホンダ・レーシング 渡辺康治社長のコメント

「アストンマーティン・フォーミュラワンチーム、バルボリン、アラムコとの協力は、これまでにない特別なコラボレーションです。新レギュレーションに適合したホンダのパワーユニットが、アストンマーティン・フォーミュラワンチームの車体に搭載され、F1を戦うことを大変楽しみにしており、これら素晴らしいブランドとの先進的なパートナーシップの一員であることを誇りに思います」

■バルボリン・グローバル・オペレーションズ  ジャマル・ミュアシャーCEOのコメント

「アストンマーティン・フォーミュラワンチームとの協業は、モータースポーツにおける可能性の限界を押し広げる特別な機会です。バルボリンの先進的な潤滑技術は、この取り組みにおいて重要な役割を果たしており、2026年のサーキットでその成果を見ることを楽しみにしています」

画像: 2024年イタリアGPでのアストンマーティン・フォーミュラワンチーム。今回の技術協力は2025年のマシンには反映されない。

2024年イタリアGPでのアストンマーティン・フォーミュラワンチーム。今回の技術協力は2025年のマシンには反映されない。

もうひとつの大きな話題は、空力の鬼才と言われる天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイが、レッドブルを離れ、2025年シーズンからアストンマーティンへ移籍するという噂。もうまもなく正式に発表されるようだが、もしこれが現実になれば、2026年以降の「アストンマーティン・ホンダ」にはビッグニュースとなりそうだ。

This article is a sponsored article by
''.