2024年9月5日〜8日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャが同国中部のラミアを起点としたグラベル(未舗装)路で開催され、ヒョンデのティエリー・ヌーヴィルが優勝。2位にはダニ・ソルド、3位にはオィット・タナックが入り、ヒョンデが1-2-3フィニッシュを達成した。トヨタはラリー1ではセバスチャン・オジェの16位が最高位。勝田貴元(トヨタ)は金曜日に足回りを損傷させてデイリタイアし、その後再出走したものの30位に終わった。

WRCは今季残り3戦、トヨタの王座防衛に赤信号

一方、トヨタは日曜日も不運が続いた。この日の最初のステージでソルドが後退したことで2番手に浮上していたオジェが、最終パワーステージ序盤で大転倒してしまったのだ。オジェは大きなタイムロスを喫しながらフィニッシュまで辿り着き、なんとか土曜日までのポイントを確保したものの、ヒョンデに1-2-3フィニッシュを許すことになってしまった。

画像: 今季2勝目を上げ、ドライバーズタイトル獲得に向けて大きく前進したティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)。ラリー前には、2025年もヒョンデから参戦することを発表した。

今季2勝目を上げ、ドライバーズタイトル獲得に向けて大きく前進したティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)。ラリー前には、2025年もヒョンデから参戦することを発表した。

これでドライバーズ選手権では首位ヌーヴィルが192点までポイントを伸ばし、ランキング2番手に浮上したチームメイトのタナックとの差を34点に拡大。オジェは38点差のランキング3位となり、土曜日に転倒・デイリタイアを喫してポイントの伸びなかったエバンスは52点差と大きく後退することになった。

マニュファクチャラーズ選手権では、ヒョンデがトヨタとの差を35点にまで広げることに成功。今シーズンのポイントシステムでは点差を縮めることは容易ではないため、残り3戦でのトヨタの逆転王座は厳しい情勢になってきた。

次戦WRC第11戦ラリー・チリは、9月26日〜29日、ビオビオ州コンセプシオンを起点としたグラベル(未舗装)路で開催される。ラリーは森林地帯のテクニカルな中高速ステージが大部分を占め、路面は全体的にはスムーズなグラベルとなる。(文:新村いつき)

2024年 WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャリザルト

2024年 WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果

1位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー1ハイブリッド)3h38m04.2s
2位:D.ソルド(ヒョンデ i20N ラリー1ハイブリッド)+1m36.8s
3位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1ハイブリッド)+2m57.3s
4位:S.パエリ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+7m01.1s
5位:R.ヴィルベス(シュコダ ファビアRS ラリー2)+7m01.1s(同タイム)
6位:Y.ロッセル(シトロエン C3 ラリー2) +7m31.9s
7位:K.カエタノビッチ(シュコダ ファビアRS ラリー2)+9m54.0s
8位:F.サルディヴァー(シュコダ ファビアRS ラリー2) +11m27.9s
9位:J.マクリーン(シュコダ ファビアRS ラリー2)+12m27.2s
10位:R.グギリエルメッティ(シュコダ ファビアRS ラリー2) +13m44.9s
────────
16位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1ハイブリッド)+23m44.5s
18位:E.エバンス (トヨタ GRヤリス ラリー1 ハイブリッド)+24m45.5s
30位:勝田貴元 (トヨタ GRヤリス ラリー1 ハイブリッド)+41m22.2s

2024年 WRCドライバーズランキング(第10戦終了時)

1位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)192
2位 O.タナック(ヒョンデ)158
3位 S.オジェ(トヨタ)154
4位 E.エバンス(トヨタ)140
5位 A.フルモー(Mスポーツ・フォード)130
6位 K.ロバンペラ(トヨタ)86
7位 勝田貴元(トヨタ)80

2024年 WRCマニュファクチャラーズズランキング(第10戦終了時)

1位 ヒョンデ 413
2位 トヨタ 388
3位 Mスポーツ・フォード 215

This article is a sponsored article by
''.