2024年9月26日〜29日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・チリ・ビオビオがチリ中部のビオビオ州コンセプシオンを起点としたグラベル(未舗装)路で開催され、カッレ・ロバンペラが優勝。2位にはエルフィン・エバンスが入り、トヨタが1-2フィニッシュを達成。3位にはヒョンデのオイット・タナックが入った。不振の勝田貴元に代わって4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1で出走したサミ・パエリは、6位に入賞した。

オジェに痛恨のアクシデント、ヌーヴィルが初の王座に王手

セバスチャン・オジェの大逆転でのドライバーズタイトル獲得への可能性は、ラリー初日・金曜日に限りなく小さくなった。首位で迎えた23.32kmのSS3、ステージ序盤、4.4kmの右コーナーで大きくはらんだGRヤリス・ラリー1は左リアを土手にヒット。タイヤをパンクさせオジェはステージ中のタイヤ交換を余儀なくされてしまう。

画像: 4位に入り、悲願のドライバーズタイトル獲得に王手をかけたティエリー・ヌーヴィル。セバスチャン・オジェ(トヨタ)のデーリタイアで有利な状況となった。

4位に入り、悲願のドライバーズタイトル獲得に王手をかけたティエリー・ヌーヴィル。セバスチャン・オジェ(トヨタ)のデーリタイアで有利な状況となった。

「ぺースノートの情報が違っていた」というまさかのミスで8冠王者は上位争いから大きく後退。さらに挽回を図った土曜日にも岩に接触してサスペンションを痛めデイリタイアとなり、日曜日に再出走して「スーパーサンデー」ポイント1位とパワーステージ1位で、12点を獲得するのが精一杯だった。

一方、選手権首位のティエリー・ヌーヴィルはグラベル・ラリーで先頭スタートのハンデが大きかったこともあり戦略通りに慎重な走行に終始、それでも土曜日を終えて4位まで浮上。日曜日も無難に走り切って15点を獲得し、選手権2位を維持したチームメイト、タナックとの差は29点に。まだオジェやエバンスにも数字上の可能性は残されているものの、得意のターマック戦となる次戦セントラル・ヨーロッパでヌービルが獲得ポイントでこの3人を2点以上上回れば、悲願の初タイトル獲得という情勢となった。

トヨタ1-2フィニッシュでマニュファクチャラーズ王座に望み

オジェとヌーヴィルが上位に絡まなかったことにより、優勝争いはトヨタのロバンペラ、エバンスの戦いになった。

画像: 第11戦ラリー・チリ・ビオビオの表彰台。表彰台独占こそならなかったが、トヨタは1-2フィニッシュで逆転タイトル獲得に望みをつないだ。

第11戦ラリー・チリ・ビオビオの表彰台。表彰台独占こそならなかったが、トヨタは1-2フィニッシュで逆転タイトル獲得に望みをつないだ。

ラリー中盤まで戦いを優位に進めていたのはエバンスだったが、雨のコンディションとなった土曜日のSS11で出た霧がロバンペラの出走順に有利に働き、ここで首位逆転。次のステージでも濡れた路面にマッチしたソフトタイヤを温存していたロバンペラがさらに差を広げ、そのまま日曜日も逃げ切った。

トヨタは日曜日も「スーパーサンデー」、パワーステージとも1-2となって大量得点を獲得。マニュファクチャラーズ選手権での首位ヒョンデとのポイント差を17点まで詰めることに成功。マニュファクチャラーズタイトルの争いは最終戦のラリー・ジャパンまで戦いが持ち越されることが濃厚だ。

次戦第12戦セントラル・ラリー・ヨーロッパは、10月17日〜20日、ドイツ南部ミュンヘン近郊カルプハムを起点とし、チェコ、オーストリアの3カ国を舞台としたターマック(舗装)路で開催される。

This article is a sponsored article by
''.