スタートアップ企業との仲間づくりと、持続可能な未来づくりに貢献
ジャパンモビリティショー ビズウィーク 2024は、2023年のいわゆるモーターショー的なイベントとは異なり、モビリティ産業と次世代を担うスタートアップ企業が交流し、「持続可能な未来づくり」という共通の目標に向かって「共創」を生み出す。持続可能な未来づくりに向けたさまざまな取り組みがある中で、トヨタは「カーボンニュートラル」に関する技術を展示し、スタートアップとの技術交流・マッチングを目指すという。
国土が狭く、資源の少ない日本にとって「エネルギー政策」は国・産業共通の大きな課題だ。このような状況だからこそ、裾野が広く、B to Cの産業であるモビリティがペースメーカーとなり、産業界一丸となって取り組みを進めることが重要となる。
マルチパスウエイでのカーボンニュートラル実現に向け、エネルギー供給の安定性と環境負荷低減に寄与する「水素社会実現に向けた取り組み」「再生可能エネルギーマネジメント」の領域で、スタートアップや他企業との共創を進める。新たな仲間づくりや技術革新を通じて取り組みを強化し、「持続可能な未来づくり」に貢献していく。主な出展内容は、以下のとおりだ。
液体水素エンジンGRカローラ
トヨタは2021年から気体水素を燃料とした「水素エンジンカローラ」で、2023年からは燃料を液体水素に変更した「液体水素エンジンGRカローラ」で国内外の耐久レースに参戦している。自工会の合同展示ブースにレース参戦車両を展示し、モータースポーツの現場でクルマと人を鍛え、産官学の仲間とともにカーボンニュートラルの実現に向けて挑戦と進化を続ける活動を紹介する。
ポータブル水素カートリッジ
トヨタは、マルチパスウエイの考えに基づき、多様なエネルギーを選択肢として、カーボンニュートラル社会の実現に向けた研究・開発に取り組んでいる。その中でも「水素」は、使用時にCO2を排出せず、風力・太陽光などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)を活用すると、製造工程においてもCO2の排出を抑えることができる「究極のクリーンエネルギー」だ。また水素は、燃料電池システムと組み合わせて発電するだけでなく、燃焼させることでもエネルギーを生み出すことができる。
日本初公開となる「ポータブル水素カートリッジ」は、トヨタが燃料電池自動車(FCEV)開発で培った技術を活用し、これまで大型で持ち運びが困難だった水素タンクを、人の手で運ぶことができるサイズに小型・軽量化することで、水素を身近で安全なエネルギーとしてさまざまな生活シーンで使用できる設計としている。
スイープ蓄電システム
「スイープ技術」とは、直列に繋いだ各電池の通電と非通電をマイクロ秒の速さで切り替えることで、各電池からの充電・放電を直流・交流で任意に制御する技術だ。このトヨタ独自の電池制御技術を使って、中古の電動車用電池を蓄電システムに活用するシステムを出展する。種類や劣化度の異なるさまざまな中古電池を再利用して、それぞれの電池に残された蓄電能力を最大限発揮させることができる。
太陽光や風力など、電力供給が不安定になりがちな再エネ発電の増加に伴い、重要性が増している「調整力」を中古電池で賄うことで、電力の安定供給と再エネの普及に貢献する。