まずは「オーナー目線」でレポートを試みるも・・・
いわゆる「空冷ポルシェ」とは、1963年にポルシェ356の後継機として誕生した901型、通称「ナロー(ポルシェ)」に始まる空冷水平対向6気筒エンジンを搭載した4世代の911たちを指すようです。もちろんポルテックでは元祖である356も、手掛けています。
911の空冷シリーズはその後、ターボの追加がセンセーションを巻き起こした930型(1974年~)、モノコックボディを始めとするシャシまわりの進化が著しい964型(1989年~)、その964型のシルエットをモダナイズした993型(1993年~)と進化を続け1997年、5代目であり初めての水冷水平対向6気筒エンジンを搭載した996型へとバトンを渡しました。
それにしても初代誕生からはすでに50年が過ぎ、「最終」の996型でも20数年が経過・・・水冷化されてからすでに2度のフルモデルチェンジを経てなお、「空冷ポルシェ」を愛し続けるオーナーがいて、しかもポルテックのようなスペシャリストが事業を継続することができる・・・って、実はすごいこと。
興味の素は尽きませんが、今回の「オトナの工場見学」では「もしも自分が空冷ポルシェを買ったなら」という目線で、いろいろとお話を伺いました。さすがに「ナロー」までは遡れませんが、エクステリアの「カエル感」やコクピットのほどよいアナログ感が以前から気になっていた964型には未だに憧れ感を抱いています。
にも関わらず工場に入ったとたんにピッカピカの356C(1964年式 )や993カレラS(1997年式)のお出迎えされたとたんに、あっさり浮気心がムラムラと盛り上がってしまい、いきなりお値段チェック。
「この993、買うとしたらおいくらですか?」
「2000万円は確実に越えますね」
程度の良い964型はそれどころではない金額になるということで、リアルオーナー目線でのファクトリーレポート計画ははなから頓挫することになったのでした。