保険金不正請求問題などの影響か?ブランドイメージも躍進
この変化の理由に関してレポートでは、代理店系においてコールセンターや代理店の事故受付、保険会社や代理店の事故対応担当者の顧客対応に加え、保険金支払におけるスピード感・納得感などの評価で低下しているものが散見されている、と検証。
逆にダイレクト系が伸びた背景には、事故処理の重要なプロセスを担うファクターの評価向上がある、と分析しています。これまではコストパフォーマンス重視で選ばれていたダイレクト系ですが、今やサービスの質でも非常に高い評価をうけているようです。
J.D. パワー 2024年自動車保険事故対応満足度ランキング
●第1位:ソニー損保(757ポイント)
●第2位:イーデザイン損保(730ポイント)
●第3位:AIG損保(717ポイント)
ちなみに、企業としてのブランドイメージに関する設問も実施されましたが、革新性や実際の顧客の評判などを前提として、やはりダイレクト系のスコアが全面的に高いようです。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員
梅澤希一氏は、以下のように語っています。
「「事故対応編」においてダイレクト系が代理店系を総合満足度で上回ったことは、コストだけではなく品質でもダイレクト系が支持を受けていることを示しており、自動車保険業界における時代の転換を示す大きな結果であると言える。大手中古車販売会社による保険金不正請求問題や損保大手企業によるカルテルなどが騒がれた過去1年の中、代理店系は顧客からの厳しい視線にさらされ、その評価は大きく損なわれることとなった。特に、事故対応を経験した顧客にとって保険金不正請求問題は他人事ではなく、「契約者編」と比較して顧客満足度の大幅な低下につながったものと考えられる。代理店系各社ではこうした評価を真摯に受け止めるとともに、信頼回復に向けて顧客本位を実現するための仕組みや体制の徹底的な見直しが求められていると言えよう。」