ホンダが投入したのがV8エンジンの船外機「BF350」
2024年に、1964年の発売から60周年を迎えたホンダのマリン事業は、創業者、本田宗一郎の「水上を走るもの、水を汚すべからず」という信念のもと一貫して環境にやさしい4ストロークエンジンの
船外機を市販してきた。そのなかでも最新のフラッグシップであるV8エンジンの船外機を体感してきた。(モーターマガジン2025年月3号より)

VTECを採用する4ストロークV8エンジン

全世界の船外機市場規模は約90万台(2023年のデータ)で、最大市場は北米の37.7万台だ。次は欧州で14.5万台、そして中南米の9.3万台、アジアの8万台と続く。エンジン別では、4ストロークが全体の約80%を占め、北米と欧州では約99%にもなる。販売シェアは、北米と欧州で全体の58%を占めているため、そうした大市場が求める船外機を投入するのは、メーカーとして当然の流れだろう。そこでホンダが投入したのがV8エンジンの船外機「BF350」である。

あらためて60年を超えるホンダのマリン事業を振り返ってみたい。始まりは1964年である。

水上を走るもの、水を汚すべからず」という創業者本田宗一郎の信念のもと、環境にやさしい4ストロークエンジンの船外機「GB30」を発売した。1990年には最大出力45psの「BF45」、1992年にはもっとも厳しい欧州の排出ガス規制「ボーデン湖規制」に適合、1998年には独自技術PGM-FⅠの導入など、4ストロークにこだわり続け、現在は、全世界で2〜350psまで25モデルを揃え、累計生産台数は219万台を記録する。

画像: 船外機は日本の誇るべきもののひとつである。「Noble Motion Form」デザインの採用で、ホンダの船外機のフラッグシップに相応しい高級感と上質さを持つ。また低燃費も魅力で航続距離は522km、最高速、加速性能、制動距離はクラストップを誇る。写真は2機掛けだが、最大4機掛けまで対応可能。

船外機は日本の誇るべきもののひとつである。「Noble Motion Form」デザインの採用で、ホンダの船外機のフラッグシップに相応しい高級感と上質さを持つ。また低燃費も魅力で航続距離は522km、最高速、加速性能、制動距離はクラストップを誇る。写真は2機掛けだが、最大4機掛けまで対応可能。

さて、今回試乗した「BF350」は、新たに専用設計で開発されたホンダ初の市販V8エンジンである。最高出力は350ps、総排気量4952ccの4ストロークV8エンジンは、ボア89.0mm、ストローク99.5mmでホンダらしくVTECを採用する。

このエンジンの特徴は、全幅を狭くするためにVバンク角を90度から60度にしている点だ。大型船外機の需要は多機掛けが一般的で、船の幅は限られるため横幅を狭くすることが重要となる。実際に「BF350」の全幅は、バンク角90度の800mmに対して650mmと150mmコンパクト化された。

画像: 船外機「BF350」は、新たに専用設計で開発されたホンダ初の市販V8エンジンである。最高出力は350psを誇る。“350”、“V8”のロゴに立体的なものを採用、さらにクロームやメッキを配置することで高級感あるデザインに仕上げている。

船外機「BF350」は、新たに専用設計で開発されたホンダ初の市販V8エンジンである。最高出力は350psを誇る。“350”、“V8”のロゴに立体的なものを採用、さらにクロームやメッキを配置することで高級感あるデザインに仕上げている。

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