ホンダが投入したのがV8エンジンの船外機「BF350」
2024年に、1964年の発売から60周年を迎えたホンダのマリン事業は、創業者、本田宗一郎の「水上を走るもの、水を汚すべからず」という信念のもと一貫して環境にやさしい4ストロークエンジンの
船外機を市販してきた。そのなかでも最新のフラッグシップであるV8エンジンの船外機を体感してきた。(モーターマガジン2025年月3号より)

高回転まで回るエンジンは印象的。先進の操船支援も充実

夢の島マリーナから東京湾を浦安マリーナまでクルージングした。実際に操船し、「BF350」の高出力と静粛性を確認した。

静粛性は、これまで試乗してきたどの船よりも会話がしやすいということがよくわかった。最高速度の80km/hでも声量を上げないで済む会話のしやすさはこれまでにない経験である。これが高級感と快適性に繋がっているのは間違いない。フル加速し、全開走行では、遠くに見えた陸地がみるみると迫ってくる。実に速い。高回転まで回るエンジンは印象的だった。

画像: 外装色として用意されるのは、ホンダ伝統のグランプリホワイト(写真)とアクアマリンシルバーメタリックの2種類。低燃費のターゲットは、マイアミ−バハマ間の往復460kmを無給油で走破できることで、航続距離は522kmを実現した。

外装色として用意されるのは、ホンダ伝統のグランプリホワイト(写真)とアクアマリンシルバーメタリックの2種類。低燃費のターゲットは、マイアミ−バハマ間の往復460kmを無給油で走破できることで、航続距離は522kmを実現した。

低燃費のターゲットは、マイアミ−バハマ間の往復460kmを無給油で走破できることで、航続距離は522kmを実現した。開発責任者の坪内氏は、「3000〜5000回転のフィーリングを快適にし、クルーズ時の回転数を大幅に下げ、O2センサーを用いたリーンバーン制御などで燃費を向上させた」という。長い航続距離が要求されるプレジャーボートにとって、このクルーズ燃費は大きなアドバンテージである。

ほかにも「クルーズコントロール機能」やホンダの船外機初採用となる「トリムサポート機能」などの操船支援も充実している。さらに自動で船外機のチルトアップ/ダウンを行う「オートマチックチルト機能」も新採用されている。

画像: 「BF350」は防錆処理の見直し、低温での作動速度向上、そしてオイルフィルター交換時にオイルが海に垂れないよう、(青部分に)角度をつけるなど市場の要望に応えるよう改善している。

「BF350」は防錆処理の見直し、低温での作動速度向上、そしてオイルフィルター交換時にオイルが海に垂れないよう、(青部分に)角度をつけるなど市場の要望に応えるよう改善している。

「BF350」は市場の要望にも応えている。具体的には、防錆処理の見直し、低温での作動速度向上、そしてオイルフィルターの交換時にオイルが海に落ちないよう、角度を付けるなどである。そしてホンダは、「BF350」の技術を水平展開し、2030年までに順次、新モデルの投入も予定している。

ホンダは、2050年にホンダに関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを目指している。すでにマリン事業は2023年8月から島根県松江市で、脱着式可搬バッテリー搭載の電動推進機プロトタイプの実証実験を開始、船外機のカーボンニュートラルにチャレンジしている。また船外機を生産する細江工場では再エネ化も進められている。このようにホンダマリンは、次のステージに向かって挑戦を続けている。(文:千葉知充 写真:井上雅行)

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