M3のシャシに1シリーズクーペをかぶせたようなモデル
BMW M社の最新作「1シリーズ Mクーペ」は1シリーズをベースにしているが、その中身はまったく別物である。結論から言えばM3のシャシに1シリーズクーペをかぶせたようなモデルである。それはスタイルからも容易に想像ができる。
ボディの全長は4380mmと20mm長いだけだが、全幅は1803mmとスタンダードの1シリーズよりも55mmも広がっている。理由はフロントに245/35R19、そしてリアには265/35R19と異サイズのワイドタイヤを装着しているからである。
また実際にランニングギアは、フロントのストラット、そしてリアのマルチリンクともにM3 GTSのパーツが多く移植され、ブレーキはフロントに360×24mm、リアには350×24mmのドリルドベンチレーテッドディスクが採用され、その高性能ぶりが連想される。
しかもフロントにはエアカーテンと呼ばれる大型のスポイラーが車幅いっぱいに広がり、その両脇は地面すれすれまで下がりダウンフォースや前輪付近での空気の流れを制御している。さらに中央には本来の冷却機能を持つはずのキドニーグリルよりも明らかに大きな開口部を持ったエアインテークが構えている。
さらにリアの大きく張り出したブリスターフェンダーを眺めながら後ろに回ると、左右それぞれ2本のマフラーが黒いディフューザー風のフィニッシャーから銃口のように後続車を威嚇しているようだ。
インテリアは黒を基調に、上質なソフトプラスチック、レザー、そしてアルカンタラが配され、赤いステッチがスポーティなアクセントとなっている。
計器類はBMWの伝統でシンプル、正面左に燃料計と一体になった300km/hスケールのスピードメーター、そして6500rpmmからイエロー、そして7000rpmからレッドゾーンのタコメーターが水温計を従えて並んでいるだけだ。
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「1シリーズMクーペ」は台数限定で2011年春に発売されることになった。M字型バンパー下には、左右2本出しエキゾーストパイプが並ぶ。